...もう一匹が造作なく彼を巻き殺すのに違ひなかつた...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...造作なく「倦怠」を読み終るとまた野村の手紙をひろげて見て...
芥川龍之介 「路上」
...あんなにも造作なくだまされるほど批判力を失い...
伊丹万作 「戦争責任者の問題」
...あの浴衣の血痕なぞ造作なく拵(こしら)えられるよ...
江戸川乱歩 「鬼」
...造作なくできるであろう...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...全くあの手代は何時でも、造作なく、また何のぼろも出さないで、この商売を潰して、息子を破産させる事ができると私は信じます...
小泉八雲 田部隆次訳 「生霊」
...それから鳥のあとから急いで家に入って――その鳥は綺麗な雄鳥であった――造作なくそれを捕えて...
小泉八雲 田部隆次訳 「雉子のはなし」
...敵の横腹を抓(つね)ろうとする彼女の手首は造作なく捩(ね)じ上げられた...
中島敦 「南島譚」
...ふいに自分の知らぬ単語まで造作なく動詞でつなぎ合せて話しているのを見ると...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...どんな女でも造作なく...
萩原朔太郎 「宿命」
...造作なく逮捕され...
久生十蘭 「悪の花束」
...方法を以てすれば実に造作なくやって退(の)けられるのかも知れぬ...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...発狂しやすい人間というものはそういう暗示には造作なくかかりがちなもので...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「黄金虫」
...避雷針は造作なくのぼれるし...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...子供を荷物のように造作なく上り口に運びそこに立っている受持教師にそっぽを向いて話しかけた...
本庄陸男 「白い壁」
...先生!」「先生――あたいん家を教えてやらあ」と次の子が造作なく調子に乗ってきた...
本庄陸男 「白い壁」
...さう造作なく死なれるもんぢやなあいよ...
水野仙子 「輝ける朝」
...いかに造作なく崩れ去るものであらうとも...
水野仙子 「響」
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