...たとえば蛇(へび)が自分の前にヒョロヒョロと立ち現われた愚かな蛙を造作なく呑み込んでしまう要領で...
高見順 「如何なる星の下に」
...全くあの手代は何時でも、造作なく、また何のぼろも出さないで、この商売を潰して、息子を破産させる事ができると私は信じます...
小泉八雲 田部隆次訳 「生霊」
...・雨ふる竹をきる濡れてゐる(追加)・死んでもよい青葉風ふく(〃)・雀こゝまで子を連れてきてだんだんばたけ・大きな鋸が造作なく大きな木を炎天(追加)改作追加・雨ふる生えてゐる木を植ゑかへる・百姓も春がゆく股引のやぶれ・たま/\髯剃れば何とふかい皺(病後)・ひとり...
種田山頭火 「其中日記」
...二度三度と慣れて来れば造作なく出来そうにも思える...
徳田秋声 「新世帯」
...敵の横腹を抓(つね)ろうとする彼女の手首は造作なく捩(ね)じ上げられた...
中島敦 「南島譚」
...造作なく天窓からその子の部屋に入れるということも話しました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...もし多数の場合について、それが観念されてる例証を見、すべてに共通する本質を取ってみれば、意外に造作なく、吾人は詩の定義に到達することができるであろう...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...どんな女でも造作なく...
萩原朔太郎 「宿命」
...造作なく振捨てることができるだろうということ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...彼はそれを造作なく取り外して...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...造作なく逮捕され...
久生十蘭 「悪の花束」
...造作なく退治して懲治監へ送りこんでしまったが...
久生十蘭 「カストリ侯実録」
...避雷針は造作なくのぼれるし...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...子供を荷物のように造作なく上り口に運びそこに立っている受持教師にそっぽを向いて話しかけた...
本庄陸男 「白い壁」
...先生!」「先生――あたいん家を教えてやらあ」と次の子が造作なく調子に乗ってきた...
本庄陸男 「白い壁」
...造作なく成功して了ったのである...
松永延造 「職工と微笑」
...相手をそれほど造作なく打ち倒し得るとでも思っているように見えた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...体外には裏漉(うらごし)だの擂鉢(すりばち)だのという便利の機械があって造作なく繊維を除(と)れるけれども胃と腸とは何の機械も持っていない...
村井弦斎 「食道楽」
便利!手書き漢字入力検索