...逞(たくま)しい彼の指には余り不景気には縁のない土耳古石(トルコいし)の指環も嵌(は)まつてゐた...
芥川龍之介 「歯車」
...逞しい大丈夫でござれば...
芥川龍之介 「奉教人の死」
...未だ鉱毒は停止に至らずして河川の荒亡は漸くその害を逞うして...
大鹿卓 「渡良瀬川」
......
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...居るぞ」「それ見ろ」床の下の逞(たくま)しい梁(はり)から垂れた握り太の麻繩(あさなは)...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少し好人物らしい逞(たくま)しい男で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...まだ皺も寄らない逞しい身体と...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...この兇逞な機械の行くところどこでも風景は褪色し黄色くなり日は空に沈鬱して意志は重たく壓倒される...
萩原朔太郎 「青猫」
...唖の女中を置いてゐる女の一人位を殺したところで大した事はあるまいと空想を逞しくしながらも...
林芙美子 「晩菊」
...人々みずから一個の働きを逞しゅうすること能わざるによりて致すところならんか...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...まるで野原にねているほどその逞しい声にききほれている...
室生犀星 「螽※[#「虫+斯」、第3水準1-91-65]の記」
...超理論というと蒙昧(もうまい)という意味になりはしないかね」「宗教というやつは元もと蒙昧なものじゃないのか」裸になると驚くほど逞(たくま)しい肉付の...
山本周五郎 「新潮記」
...俺に弁護士になれと云うた奴は彼奴(あいつ)一人じゃ」又或時傍の骨格逞しい眼付きの凄い老人に筆者を引合わせて曰く...
夢野久作 「近世快人伝」
...建った当時から居るのが今云うた松井ヨネ子という二十六になる逞ましい肉体美の醜女(オッペシャン)だ...
夢野久作 「二重心臓」
...やや逞(たくま)しくなっていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...逞しい自分の腰に太刀の革紐(かわひも)を結(ゆわ)いつけながら出てきて...
吉川英治 「親鸞」
...不逞(ふてい)な牢人たちは...
吉川英治 「宮本武蔵」
...もっと適応し逞(たくま)しく進化して行けば...
蘭郁二郎 「火星の魔術師」
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