...それから僕等は通りがかりにちよつと萩寺(はぎでら)を見物した...
芥川龍之介 「本所両国」
...)……と、天幕とその松のあります、ちょっと小高くなった築山(つきやま)てった下を……温泉場の屋根を黒く小さく下に見て、通りがかりに、じろり……」藤助は、ぎょろりとしながら、頬辺(ほっぺた)を平手で敲(たた)いて、「この人相だ、お前さん、じろりとよりか言いようはねえてね、ト行(や)った時、はじめて見たのが湯女のその別嬪だ...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...と通りがかりに睨(にら)むと...
泉鏡花 「婦系図」
...先刻(きつき)忠成は道の通りがかりに...
薄田泣菫 「茶話」
...遠国の侍らしく……通りがかりに...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...その仕事を長谷川が通りがかりに佇んで眺めていると...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...通りがかりにある穴倉の風窓へそれを投げ込んでしまった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...クリストフはその快い光景をただ通りがかりにうっかり見たばかりであって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...通りがかりに耳にした言葉...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...通りがかりに寄ったのか...
豊島与志雄 「自由人」
...通りがかりに時間を見るため腰をかがめて覗(のぞ)いて見ると軒の低いそれらの家(うち)の奥は真暗(まっくら)であった...
永井荷風 「すみだ川」
...こうして通りがかりに伺いましたようなもので...
中里介山 「大菩薩峠」
...また用があって通りがかりに偶然出ッくわしたんだか...
夏目漱石 「道草」
...セエラは通りがかりに暖かそうな部屋を覗いて見るのが常でした...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...いつだったか、通りがかりに、霊南坂でそういう光景を見たことがあった...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...通りがかりにじろじろと眺められる場所で...
本庄陸男 「石狩川」
...通りがかりに覆つてゐる下駄を起す程の氣も出た...
水野仙子 「四十餘日」
...通りがかりに遣付(やっつ)けた仕事だろう……...
夢野久作 「巡査辞職」
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