...一味相通ずる何物かがあった...
芥川龍之介 「魚河岸」
...この言(ことば)は殿様に通ずるんだ...
泉鏡花 「薄紅梅」
...同時に欧州の一般事情に通ずるということであった...
大隈重信 「東西両文明の調和を論じて帝国の将来に及ぶ」
...ふと不審を覚えていつもの軽い気持で玄関から奥へ通ずる扉(ドア)を開けてみた...
大阪圭吉 「寒の夜晴れ」
...――漬物と俳句との間には一味相通ずるところの或る物があることを...
種田山頭火 「漬物の味〔扉の言葉〕」
...三倉等といふ方に通ずるところは...
田山録弥 「玉野川の渓谷」
...おのずから世界に通ずる人道的精神の大なる発露でもある...
津田左右吉 「建国の事情と万世一系の思想」
...庖厨より居室に通ずる階段の既に久しく腐朽せるものあり...
ドストエウスキー Fyodor Mikhailovich Dostoevski 森林太郎訳 「鰐」
...明山侯と能登守との意気相通ずるということは...
中里介山 「大菩薩峠」
...この六七人の男は上(あが)り口(ぐち)と奥へ通ずる三尺の廊下(ろうか)口を残して...
夏目漱石 「門」
...途(みち)はメーン・ドゥ・ビランやベルグソンの哲学へも通ずるのである...
西田幾多郎 「フランス哲学についての感想」
...然るに和歌と抒情詩とは本質に於てやや通ずるところがあり...
萩原朔太郎 「詩の原理」
...真心と真心はどんな遠くからでも通ずるのだもの...
牧野信一 「喜びと悲しみの熱涙」
...御茶の水上橋に非ずして御茶の水下橋にあり(橋の名のかく名づけられたるなり)下橋を渡りて隧道(ずいどう)に依りて通ずる幾個の地下国は尽くこれ待合(今の待合とやや性質を異にす)にして...
正岡子規 「四百年後の東京」
...日光へ押寄せて行ってから数日を経た留守隊の守備線で山上の本拠に通ずる道の第一の番所にあたっている...
三好十郎 「斬られの仙太」
...無用の用あることを説く老荘道家の発想と相通ずるものがある...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...ヌサといっても通ずるが...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...千石の大寄合(おおよりあい)であるが蔵人がそのまま食(くら)ん人(ど)に通ずるほどの酒豪だった...
山本周五郎 「日本婦道記」
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