...と云つて言葉の通じない彼に...
芥川龍之介 「南京の基督」
...余程前から通じて居るといふ事は...
石川啄木 「病院の窓」
...星を通じてしきりに入党の勧誘があった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...余の下宿にも書生の目には珍らしい大きな菓子折を持って刺(し)を通じて来た...
高浜虚子 「子規居士と余」
...生活の機構にもおのずから通じて来ねばならない...
高村光太郎 「書について」
...不毛の地を開墾したり疏水(そすい)を通じたりする時には...
田中貢太郎 「海神に祈る」
...橘家(たちばなや)さんや大師匠ではこの赤毛の「おとこしゅ」に一そう通じっこないんだから――...
谷譲次 「踊る地平線」
...それでいて関西の地理に通じないころは何処か京都の郊外であるらしくかんがえながらはっきりところをつきとめようという気もなかったのであるがその御殿の遺跡は山城(やましろ)と摂津(せっつ)のくにざかいにちかい山崎の駅から十何丁かの淀川(よどがわ)のへりにあって今もそのあとに後鳥羽院を祭った神社が建っていることを知ったのはごく最近なのである...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...大田を通じて西浦夫妻に話がなされたというそのことではなく...
豊島与志雄 「非情の愛」
...日本人は春夏秋冬を通じて衣服は何枚要(い)るかから割り出したものでもない...
新渡戸稲造 「自警録」
...新西蘭タイムスを通じて発表した新大陸発見の囈言を体よく黙殺してしまった...
久生十蘭 「南極記」
...真直(まっすぐ)に寺の庫裡(くり)の方に通じているらしかった...
堀辰雄 「三つの挿話」
...最後に通じていたのがメッセンジャー新聞の電信線だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「バブル崩壊」
...長い廊下と階段によって浴室と通じている...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...副院長の身体(からだ)の蔭になっているので通じなかった...
夢野久作 「一足お先に」
...ここから徐州へ通じる道を抑え...
吉川英治 「三国志」
...それが通じない男のほうが...
吉川英治 「新・水滸伝」
...5 夜が明けて僕は卓上の電話の受話器を妻の寝室に通じた...
吉行エイスケ 「戦争のファンタジイ」
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