...倶知安(くっちゃん)からK村に通う国道はマッカリヌプリの山裾(やますそ)の椴松帯(とどまつたい)の間を縫っていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...田舎源氏の――名も通う――桂樹(かつらぎ)という風がある...
泉鏡花 「怨霊借用」
...おのおのの家に通う小路(こうじ)の見すぼらしさ...
伊藤左千夫 「落穂」
...二三日はそこから村へ通うつもりだよ」「仲々熱心だね...
江戸川乱歩 「鬼」
...毎日通う省線電車もナオミは二等の定期を買うのに...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...加須(かぞ)に通う街道には畠があったり森があったり榛(はん)の並木があったりした...
田山花袋 「田舎教師」
...幼稚園に通うころより実の同胞(きょうだい)も及ばぬほど睦(むつ)み合いて...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...蓬莱亭へ足繁く通うようになった...
豊島与志雄 「反抗」
...これは今戸へ通う渡しと共に廃止された...
永井荷風 「水のながれ」
...白銀荘へ通うことにした...
中谷宇吉郎 「雪後記」
...「お絹さんが浅草とやらへ通うのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...次は高く風を受けてもただ琴の音(ね)に通うといわるるいわゆる松風(まつかぜ)すなわちいわゆる松籟(しょうらい)があるばかりで毫も動ぜぬその枝葉です...
牧野富太郎 「植物記」
...慶長元年九月二十八日土佐国浦戸港にマニラよりメキシコに通う商船漂着し...
南方熊楠 「十二支考」
...とにかくに富山県の一部のバンドリスズメと似通うているのは偶然ではあるまい...
柳田國男 「野草雑記・野鳥雑記」
...片道二時間もかけねば学校に通うことができなかった...
山川方夫 「十三年」
...大奥と表を通う穴道の雑人(ぞうにん)やら...
吉川英治 「大岡越前」
...折々通うて逢(あ)う女こそが...
吉川英治 「私本太平記」
...赤間ヶ関へ通う船が...
吉川英治 「宮本武蔵」
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