...一座へ風が通うように...
芥川龍之介 「竜」
...倶知安(くっちゃん)からK村に通う国道はマッカリヌプリの山裾(やますそ)の椴松帯(とどまつたい)の間を縫っていた...
有島武郎 「カインの末裔」
...空を黒雲が行通うか何ぞのように...
泉鏡花 「婦系図」
...学校へ通うにはなおさら...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...塾に通う書生のまえでは恐ろしい訳知りに...
太宰治 「ロマネスク」
...里芋)・朝風の簑虫があがつたりさがつたり・バスも通うてゐるおもひでの道がでこぼこ・役場と駐在所とぶらさがつてる糸瓜・かるかやもかれ/″\に涸れた川の・秋日あついふるさとは通りぬけよう・おもひでは汐みちてくるふるさとの渡しふるさとや少年の口笛とあとやさきふるさとは松かげすゞしくつく/\ぼうし・鍬をかついで...
種田山頭火 「行乞記」
...百日紅の枝其ものが滑(すべ)っこく蛇の膚(はだ)に似通うて居るので...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...実際どうかすると、役所へ通うのが、どうにもいやでたまらなくなった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...息吹きは将来へ通う...
豊島与志雄 「今日の条件」
...その間を生肴(なまざかな)が通う時は半日一晩で甲府へ着くから大したものじゃねえか...
中里介山 「大菩薩峠」
...――高崎から沼田へ通う馬車にわたしはのっている...
中村清太郎 「山岳浄土」
...親の恨みは通うものか...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...小石川に通う横浜から帰(かえっ)て...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...砂利の上ばかり通うて辷つたり転んでばかり居る者もあれば...
槇本楠郎 「文化村を襲つた子供」
...ちょうど一の臂(ひじ)が縮んで他の臂が伸びる方へ通うと見えるから...
南方熊楠 「十二支考」
...沖を宇部へ通う曳船が重く並んで通るのが見え...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...とつこうつ、明け方までに、厠(かわや)へ通うこと数度、およそ旅先の旅館で、深夜、厠へ通うほど、ほかの部屋へ気がひけるものはない...
吉川英治 「随筆 新平家」
...女のところへ通う道はただもう戸口しきゃないなんていう...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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