...人生の大殿堂を根柢から搖り動かして轟き渡る一撞萬聲の鯨鐘の聲を深く這裏(このうら)に藏(かく)して居るのかも知れない...
石川啄木 「雲は天才である」
...「空腹」の影薄さも這裏(このうら)に宿つて居るかも知れない...
石川啄木 「雲は天才である」
...風流を這裏(しゃり)に楽しんで悔いざるものである...
夏目漱石 「思い出す事など」
...ただ這裏(しゃり)の福音(ふくいん)を述べて...
夏目漱石 「草枕」
...また自ら進んで適意の刺戟を求め能(あと)うだけの活力を這裏(しゃり)に消耗して快を取る手段との二つに帰着してしまうよう私は考えているのであります...
夏目漱石 「現代日本の開化」
...――刈り込まざる髯!棕櫚箒(しゅろぼうき)を砧(きぬた)で打ったような髯――この気魄(きはく)は這裏(しゃり)に磅(ほうはく)として蟠(わだか)まり瀁(こうよう)として漲(みなぎ)っている...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...むかっ腹をたててぷんぷんするのでも這裏(しゃり)の消息は会得(えとく)できる...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...彼が武右衛門君に対して「そうさな」を繰り返しているのでも這裏(しゃり)の消息はよく分る...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...到這裏非真非仮...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...禅僧がよく「這裏(しゃり)」とか「箇裏(こり)」とか「箇中」とかいうが...
柳宗悦 「民藝四十年」
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