...白い顔が這うばかり低く出たのを...
泉鏡花 「遺稿」
...蛞蝓(なめくじ)の這うにこそ...
泉鏡花 「婦系図」
...その儘まっすぐに三越裏の壁ぎわを這うようにつたわり...
海野十三 「ネオン横丁殺人事件」
...天井を這うも同然の...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...今度こそすべり落ちたら百年目と度胸を据ゑて這うて出る...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...絹の上を蛍が這うように青い光がぎらぎらして...
谷崎潤一郎 「少年」
...あの田の草取りだ昼間の暑い陽ざかりにジリジリの煮え湯の泥田を四つんばいになって這うて歩くのじゃ顔も手もぼんぼんにふくれ上がり爪の先がずくずくうずくだ六十ごけ婆がこのようにもがいても喰う米も無(ね)いんだその横で地主の奥様は夏羽織でお寺まいりなさるし...
中野鈴子 「母の手紙」
...安岡は這うようにして進んだ...
葉山嘉樹 「死屍を食う男」
...そこで俺が虎になって出掛けたが、鉄砲を打ちかけられびっくりしてひっくり返った拍子に、木の根っ子でひどく脇腹をやられ、這うようにして、雑木林(マッキオ)のそばまで行ったんだが、そこで息が詰まってのびてしまった...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...這うようにして進んで来ると...
久生十蘭 「魔都」
...這うように向かった先は寂しい庭園...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...額に深い襞をよせて這う様にして間近い我家にたどりついた...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...凡ゆる這うもの飛ぶものに君臨する王者であつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...這うようにして歩いた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...……ね、ね、おっ母さん」でもなお、お袖は疑っていたが、そのとき、あなたの空き部屋で、酔い伏しているとばかり思われていたお島が、這うように、身をもたげて、ふすま越しに、こういうのが聞えて来た...
吉川英治 「大岡越前」
...よろ這うていたほどだろう...
吉川英治 「私本太平記」
...仰向いて白壁の狭間に這う弾(たま)けむりを見あげていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...這う様にして登っている彼等の姿は...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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