...たとえばブザーのことや壁に這う蟻(あり)のことを...
梅崎春生 「幻化」
...その儘まっすぐに三越裏の壁ぎわを這うようにつたわり...
海野十三 「ネオン横丁殺人事件」
...脚下に延びはびこった夏草の中をがさがさと這う音もした...
田中貢太郎 「立山の亡者宿」
...彼等はどれも国家機構の壁に這う処のつたのようなものだ...
戸坂潤 「啓蒙の現代的意味と役割とについて」
...お由羅は、しびれた、痛む胸を、這うようにして、壇から降りて「火が、みんな、左へ廻りましたの」と、微笑した...
直木三十五 「南国太平記」
...微かに足音がしても、這うのを止めた...
直木三十五 「南国太平記」
...だから這う方はなお遅くなる...
夏目漱石 「坑夫」
...半分は這うようにして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...狭い木の階段を這うようにして...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...他の船たちが海面を這うように散らばっているのが見えた...
アーネスト・ヘミングウェイ Ernest Hemingway 石波杏訳 Kyo Ishinami 「老人と海」
...その遣り方はその這うべき場面に少しでも凸起の...
南方熊楠 「十二支考」
...額に深い襞をよせて這う様にして間近い我家にたどりついた...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...或いは病氣をして地上をのろのろと這うてゐる奴であつた...
室生犀星 「はるあはれ」
...凡ゆる這うもの飛ぶものに君臨する王者であつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...虫の這うような緩やかな速度に変化していたために...
夢野久作 「斜坑」
...大手の両側の石垣を這う蔦紅葉だけは美しかった...
吉川英治 「随筆 新平家」
...梯子段を這うように...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...小屋の低い天井の下を這うようにして...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「にんじん」
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