...一番上の段まで這うようにして上りつめた...
芥川龍之介 「羅生門」
...やがて彼れは松川の屋敷に這入って行った...
有島武郎 「カインの末裔」
...橋を渡つて芝區へ這入ると...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...明治の酷吏伝の第一頁を飾るべき時の警視総監三島通庸(みちつね)は遺憾なく鉄腕を発揮して蟻の這う隙間(すきま)もないまでに厳戒し...
内田魯庵 「四十年前」
...例の鏡の前の箱の中へ這入っている間に...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...がちゃがちゃサアベルの音をさせて人が這入(はい)って来たから私は戸籍調べが来たのかと思って見ると...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...そとから這入って来たものでないことだけは一目でわかった...
谷譲次 「踊る地平線」
...数条のはらわたがぶら下って地に這って...
谷譲次 「踊る地平線」
...大阪のあの辺は何と云う暑い所やろと云い云い六畳の間に這入って...
谷崎潤一郎 「細雪」
...人形使いの手がそのまま人形の胴へ這入(はい)っているので...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...泥のやうに酔うて泥の中を這ひまはつた...
種田山頭火 「其中日記」
...あれは先生確か『猫』の初めの原稿料だったか不意にあぶく銭が這入った時...
中谷宇吉郎 「冬彦夜話」
...窓と戸の障子(しょうじ)の隙間(すきま)から寒い風が遠慮なく這込(はいこ)んで股から腰のあたりがたまらなく冷たい時や...
夏目漱石 「倫敦消息」
...何台も工場へ這入つて来る...
林芙美子 「瀑布」
...この歌は這入つてゐない...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...床に這入らうなんて思ふやうな人はないね...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...タンボ這いずり廻っていさえすりゃ文句のねえ男でごぜます...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...這いあがって行った者はまた...
吉川英治 「親鸞」
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