...この村に這入りこんだ博徒らの張っていた賭場(とば)をさして彼の足はしょう事なしに向いて行った...
有島武郎 「カインの末裔」
...目的ノナカツタ丈 冷静デアツタ太陽ガ汗ニ濡レタ背ナカヲ照ラシタ時影ハ背ナカノ前方ニアツタ人ハ云ツタ「あの便秘症患者の人はあの金持の家に食塩を貰ひに這入らうと希つてゐるのである」ト‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1931・6・5...
李箱 「異常ナ可逆反応」
...生きて這い廻っているのを見たのは大いに愉快だった...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...丁度そこへ這入って来た下男に命じて...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...庭の黒土をばさばさ這いずりまわっている醜き秋の蝶(ちょう)を見る...
太宰治 「HUMAN LOST」
...思わず床に四つ這いになって...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...私などの這入れる借家では...
土田杏村 「私の書斎」
...第二の門内に這入ると地盤が一段高くしてあって第一と同じ形式の唯(た)だ少しく狭い平地は直様(すぐさま)霊廟を戴く更に高い第三の乃(すなわ)ち最後の区劃に接しているのである...
永井荷風 「霊廟」
...八兄哥」二人はつままれたような顔をして這いもどりました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あつしは釣船(つりぶね)から這ひ上がつたばかり...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...這いだして来る「鬼」に出逢った...
火野葦平 「花と龍」
...これで重病室へ這入るのは三度目である...
北條民雄 「続重病室日誌」
...そしてそのまま長い沈默に這入つた...
堀辰雄 「春日遲々」
...二階のカジノ・フオリーに出這入りするために...
堀辰雄 「水族館」
...(土間を這ひ廻るやうにして銭を集めてゐる留吉)チエツ! 人間の皮をかぶつたケダモノと言ふなあ...
三好十郎 「地熱」
...その壻殿が自分の内へ這入り込んで来るのを...
森鴎外 「雁」
...最前這入って来た通りの道を歩いて...
夢野久作 「霊感!」
...這奴(しゃつ)の首を...
吉川英治 「私本太平記」
便利!手書き漢字入力検索