...彼れは居酒屋に這入(はい)った...
有島武郎 「カインの末裔」
...霜は穴から這いだす冬眠していた四足獣のように地中を出て...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...」年増の女が歩いて行くので従いて行くとすぐ次の室の扉を開けて這入つた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...・秋風の腹たててゐるかまきりで(再録)・かまきりよいつ秋のいろがはりした・糸瓜ゆつたりと朝のしづくしてゐる・重荷を負うて盲目である・家いつぱいの朝日がうらの藪までも・風に眼ざめてよりそふ犬の表情で・這うてきたのはこうろぎでぢつとしてゐる九月廿三日朝寒夜寒...
種田山頭火 「其中日記」
...特に社会人との社会的交通に這入るという点が強調されねばならぬわけだったのである...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...長吉は覚えず後(あと)を追って路地内(ろじうち)へ這入(はい)ろうとしたが...
永井荷風 「すみだ川」
...今しがた窓際から引込んで寝たばかりのところだと言いながら蚊帳から這(は)い出したが...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...自分は母から疑惑の矢を胸に射つけられたような気分で兄のいる室へ這入(はい)った...
夏目漱石 「行人」
...漸く這ひ上がつた時は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...それが這入って来た箇所からの...
萩原朔太郎 「ウォーソン夫人の黒猫」
...ドロドロに汚れた労働者が馳け込むように這入って来て...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...出這入るものとては犬くゞりに小犬のかげもなく...
一葉 「暗夜」
...そして彼女の後について臺所に這入つて行つた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
......
堀辰雄 「鳥料理」
...余は再び病室の方に這(は)ひ戻りて蒲団に上るや否や頭を枕の上に安めて...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...香川 ふっ! ……(ガサガサと言わせて炭焼ガマから這い出す)ふう! ……(立って...
三好十郎 「樹氷」
...針金の痕(あと)が蛇みたいにビクビクと這いまわっている上から...
夢野久作 「支那米の袋」
...車掌が部屋へ這入って来た...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??