...おなじ処を開けて腹這(はらば)いで見ていた...
泉鏡花 「縁結び」
...口へ這入るものが砂か米か分らん様(よ)であった...
岩野泡鳴 「戦話」
...「學校の門を這入つた以上は...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...目をこすりながら屋外に這い出して...
鵜殿正雄 「穂高岳槍ヶ岳縦走記」
...天井をさかさまに這うことさえ出来ます...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...私の留守に叡子さんが俳小屋に這入つて...
高浜虚子 「椿子物語」
...何べん目かに前を通ったとき、仏蘭西(フランス)風の女用上靴(うわぐつ)と一しょに端近(はしぢか)の床にころがっているのを発見したのだが、這入って、黙って手に取ってみると、私は妙に身体(からだ)じゅうがしいんと鳴りをしずめるのを感じた...
谷譲次 「踊る地平線」
...草野谷から大谷山へお這入りなされ...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...用もないのんに教室い這入(はい)って来て...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...中に五六人這入(はい)ると戸を閉めて...
夏目漱石 「行人」
...奧まつた部屋へ這入つて行くと...
林芙美子 「雨」
...すぐそこから離れて驛へ這入つて行つたけれど...
林芙美子 「玄關の手帖」
...私共は生命(いのち)も何も要りません」と土に這い付いてお礼を云った...
夢野久作 「猿小僧」
...現場で這い上がり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...何処にも救いを見出せない闇の中を這い廻ったのは...
松永延造 「職工と微笑」
...然るに此時入口を這入る己の心の臓は跳つた...
アンリ・ド・レニエエ Henri de Regnier 森林太郎訳 「復讐」
...私の胸へは婆さんから聞かせられた幼時の記憶が次第に浮んで来た――物語の国へでも這入って行くような思いがする...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...這(ほ)う這(ほ)うの態で...
蘭郁二郎 「脳波操縦士」
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