...そこへ、氷峰が左りに酒を注いだ猪口を持ち、右に徳利を持ち、變な手つきで兩方から肩と平行するほどにあげ、脊を丸めてをかしな樣子で、女主人の婆アさんにふすまを明けさせて、這入つて來た...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「這って行こう」先生の注意で...
海野十三 「火星兵団」
...次の部屋へ這(は)いこんだ...
海野十三 「火星兵団」
...鬚(ひげ)のある背の高い方が這入られた...
鈴木三重吉 「桑の実」
...このふたりは初め隣室の女ばかりの部屋へ這入(はい)ろうとしたのだそうだ...
谷譲次 「踊る地平線」
...這入ると直ぐ大きな字で書いてある...
谷譲次 「踊る地平線」
...互いに追いつ追われつ天井裏に這い上ってゆく...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...此の開けて居る間から溶々として家の戸口まで這入って来るのが霞が浦で...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...次男の孝助が丁度中學へ這入つた年の夏だつた...
林芙美子 「或る女」
...もう足元の床までチョロチョロと火が這ってきていた...
久生十蘭 「海豹島」
...その兩方共ロチスター氏の身體の中に這入り込んでゐたやうに思へた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...這いあがった安が...
山本周五郎 「花も刀も」
...さっきあの人を犬のように這(は)わせてやるつもりだったのよ」とおみやは唇を歪めた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...お父様は又慌ててお炬燵へお這入りになって...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...お柳は笑いながら這入って来ると...
横光利一 「上海」
...足軽たちの木下隊へ這いこんでいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...高いその山の上へと這っているのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...御承知の如き持久体制に這入っていたのである...
蘭郁二郎 「休刊的終刊」
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