...夏中逗留するといへば...
石川啄木 「鳥影」
...実は、怪を語れば怪至る、風説をすれば影がさす――先哲の識語に鑒(かんが)みて、温泉宿には薄暗い長廊下が続く処、人の居ない百畳敷などがあるから、逗留中、取り出ては大提灯の怪を繰返して言出さなかったし、東京に皈(かえ)ればパッと皆消える……日記を出して話した処で、鉛筆の削屑ほども人が気に留めそうな事でない、婦(おんな)たちも、そんな事より釜の底の火移りで翌日のお天気を占う方が忙しいから、ただそのままになって過ぎた...
泉鏡花 「遺稿」
...そこから逗子に廻り...
大杉栄 「日本脱出記」
...逗子(ずし)在、久木、岩殿観音...
高浜虚子 「六百句」
...かつて逗子の家へ彼をつれて行った時と...
徳田秋声 「仮装人物」
...このごろこの中庭につき出ている翼屋のマリヤ・スィソエヴナの家具つきの部屋に『御逗留中で』という挨拶だった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...ゆっくり御逗留なすって下さい...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...十一谷君が逗子に引込む時...
豊島与志雄 「十一谷義三郎を語る」
...どういう訳か逗子へ半月ばかり行っていた時の事を半紙二帖(にじょう)ほどに書いたものが...
永井荷風 「夏の町」
...えらい永逗留(ながとうりゅう)じゃ」「まだ二三日は...
中里介山 「大菩薩峠」
...もう一日御逗留なさいませ...
中里介山 「大菩薩峠」
...雨で逗留している宇津木兵馬とお君の二人がいるのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...この宿に逗留(とうりゅう)の客人の...
中里介山 「大菩薩峠」
...ついこの近いところの大谷風呂というのへ暫く逗留させられることになったから...
中里介山 「大菩薩峠」
...合宿所並に社長の別荘に逗留して...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...このルネッサンス時代の芸術の古都フローレンスの逗留が...
宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
...逗留(とうりゅう)客でもねぎらうように独り合点してからすすめた...
吉川英治 「黒田如水」
...美作(みまさか)の吉野郷(ごう)では七宝寺に長らく逗留してお在(い)でた……」といいかける言葉の途中から...
吉川英治 「宮本武蔵」
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