...彼が尻を下ろした途端にがくんと大きな音をたてて後へ傾いた...
海野十三 「地獄の使者」
...「俺の妻になりながら相変らず伯爵を慕っていた伯爵夫人を殺すのだ……俺に許さなかった肌で毎晩この犬を抱いて犬に弄ばれていた俺の妻を殺すのだ!」途端に「呀(あ)っ!」と心臓でも突き刺されたような呻(うめ)き声を妻は挙げた...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...途端に全身がかっとして...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...途端に飛びあがって房の一ぱいついた大きなランプの笠(かさ)の蔭からベリヤーエフの顔を覗(のぞ)きこんだ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「小波瀾」
...われ/\は途端に譬えようもない賢女で...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...その途端にフラフラとまたしても岩を辷(すべ)ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...この香りの高い梅の花を」お君はそれを銚子の間に挿(さ)し込んで歩みを移そうとした途端に...
中里介山 「大菩薩峠」
...それと対抗して去らない鳥の挙動こそ解(げ)せない――と眉をひそめた途端に...
中里介山 「大菩薩峠」
...猫を織り交ぜる途端に猫が出現したのか...
中里介山 「大菩薩峠」
...が、その途端に、不機嫌さうにむつつり黙り込んで煙管を咥へてゐる田舎の父の姿が浮んで来て、どうした工合か急に財布をまたポケットに蔵ひ込んで買ふのをやめてしまった...
北條民雄 「道化芝居」
...途端に、十兵衛と弥平治のすがたは、狼軍の牙(きば)につつまれた...
吉川英治 「新書太閤記」
...途端に、どどどっと押し上がり駈け入り、武者草鞋(わらじ)は薪(まき)の火を踏み散らして屋内へ分れた...
吉川英治 「新書太閤記」
...弦之丞の天蓋がクルリと後ろへ振り向いた途端に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...その鈎(かぎ)の爪がガッキとどこかへ食いついた途端に...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...途端にそのことばを忘れてしまったように...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「――あっ」巌流は、腰かけたまま、顔をかわし、途端に、伊織の腕くびを引っつかんでから――「ア熱(つ)! ……」片目をつぶりながら、憤然と、突っ立った...
吉川英治 「宮本武蔵」
...途端に九倍となって飛躍するわけですナ...
蘭郁二郎 「白金神経の少女」
...漸く盛大になりかけた途端に覆滅させられたのである...
和辻哲郎 「鎖国」
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