...聯(つらな)る車は、薄日なれば母衣(ほろ)を払って、手に手にさしかざしたいろいろの日傘に、あたかも五彩の絹を中空に吹き靡(なび)かしたごとく、死したる風も颯(さっ)と涼しく、美女(たおやめ)たちの面(おもて)を払って、久能の麓(ふもと)へ乗附けたが、途中では人一人、行脚の僧にも逢わなかったのである...
泉鏡花 「婦系図」
...兎は走り出しましたが、途中で、遊んだり居眠りしたりしました...
豊島与志雄 「文学以前」
...途中でふみ止まることがほとんどできなかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ネロは行き帰りの途中でそこで立ち止まったものでした...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...ここまで来る途中でも...
夏目漱石 「坑夫」
...途中で夕立に逢って思う所へ行かずに引き返したようなものである...
夏目漱石 「野分」
...途中で外国人の婦人に唾(つば)を吐(は)きかけた学生があった...
新渡戸稲造 「自警録」
...途中で幕府の役人に捕えられた...
蜷川新 「天皇」
...C家では先代が採集の途中で倒れ...
牧野信一 「鱗雲」
...俺は屹度途中で飛び降りて仕舞ふだらう...
牧野信一 「白明」
...私はあなたの処へゆく途中だったのです」「私もあなたのところへ行く途中でした...
マクドナルド George MacDonald 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...松葉屋と中屋の二主人が途中で殺し...
南方熊楠 「十二支考」
...二十分のものは二十分と規則通りの時間まで戸を開けない方が確(たしか)ですけれども段々御上達になったら途中で色々な細工が出来ます」と語る内に今の菓子の出来上りければテンピより抜き出し「小山さん...
村井弦斎 「食道楽」
...途中で行きあう誰からでもその馬をとり上げ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...四郎次郎と途中で行き会い...
吉川英治 「新書太閤記」
...途中でひどい暴風(しけ)に遭(あ)い...
吉川英治 「新・水滸伝」
...途中でなにを思いついたか...
吉川英治 「親鸞」
...途中で二人の田舎娘に逢ったので早速尋ねてみた...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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