...未だ上求菩提の一句の内容にさへ眞正に滲透することを得ざる者の言葉いぢりか...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...その貫徹す眼で人間の魂の底までも見透すやうな氣がした...
阿部次郎 「三太郎の日記 第二」
...これが次第にあらゆる少女の思想に浸透する...
エンマ・ゴルドマン 伊藤野枝訳 「結婚と恋愛」
...雨が土に浸透するように心に沁(し)みこんでいつか作者と同じ所に立っているようになる...
高浜虚子 「俳句への道」
...毎日々々やり透すということは普通のものに出来ることではない...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...客は掌の中に蝶を透すやうにしてゐた...
田中貢太郎 「蛾」
...」コツプを持つた女中はコツプの血を透すやうにして云つた...
田中貢太郎 「蟇の血」
...仰向いて空の方を透すと空は蒼白くなって...
田中貢太郎 「山の怪」
...性格は相互に浸透する(この意味に於て又性格は...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...最も手取り早く要領よく見透すことの出来るのは...
戸坂潤 「思想としての文学」
...ガラス窓の破れてソヨソヨ風の吹き透す会場で...
中井正一 「地方文化運動報告」
...ブルーノーよりデカルトをさらにカントを見透す線はそれである...
中井正一 「リズムの構造」
...暗を見透す眼があっても...
中里介山 「大菩薩峠」
...光線が我々の眼底に落つるのと乾板の上にレンズを透す時とは其現象が違ふ...
長塚節 「教師」
...櫟林にも春の光が射し透すやうになつた...
長塚節 「隣室の客」
...梢の網目から射し透す冷光と...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...太陽紫外線は案外よく霧を透すので...
中谷宇吉郎 「農業物理学夜話」
...おのずから流れるように或ものが自分に浸透することを考えると...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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