...近くでは、日の黄を交えて草緑なのが、遠く見透すと、印度藍を濃く一刷毛横になすった様な海の色で、それ丈けを引き放したら、寒い感じを起すにちがいないのが、堪え切れぬ程暑く思える...
有島武郎 「かんかん虫」
...樹脂をらくに透すが...
海野十三 「少年探偵長」
...その夜はそこまで見透す力がなかった...
海野十三 「深夜の市長」
...小柄な小林氏を透すやうに見下(みおろ)しながら...
薄田泣菫 「茶話」
...しかしそこには確かに楽の中から流れ出て地と空と人の胸とに滲透するある雰囲気のようなものがある...
寺田寅彦 「雑記(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...性格は相互に浸透する(この意味に於て又性格は...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...一切の自然科学は相互に歴史的に浸透する...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...限られた面で見透すことは僭越だ...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...それはいつの間にか民衆の日常常識となって普及し浸透するようになって来た...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...ブルーノーよりデカルトをさらにカントを見透す線はそれである...
中井正一 「リズムの構造」
...暗を見透す眼があっても...
中里介山 「大菩薩峠」
...櫟林にも春の光が射し透すやうになつた...
長塚節 「隣室の客」
...太陽紫外線は案外よく霧を透すので...
中谷宇吉郎 「農業物理学夜話」
...樹の高からぬのと秋の日の射透すので...
夏目漱石 「幻影の盾」
...彼の最も愛好する安酒が彼の五官に浸透するに伴(つ)れ...
西尾正 「放浪作家の冒険」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...苔むした根がたからずっと数多の幹々を見透す感じ...
宮本百合子 「九州の東海岸」
...なんとなく人を見透すような...
山本周五郎 「夜明けの辻」
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