...お互の懐中(ふところ)を見透かした...
泉鏡花 「薄紅梅」
...……胸やや白き衣紋(えもん)を透かして...
泉鏡花 「歌行燈」
...膚薄(はだうす)な胸を透かして...
泉鏡花 「歌行燈」
...多くの幹と幹とのあひだがこれも赤さうな太陽のよこ照らしに向ふのそらを透かし彫りにしてゐる...
岩野泡鳴 「鹽原日記」
...また足もとを見透かして軽蔑(けいべつ)したようなことをいう...
近松秋江 「狂乱」
...横線は透かしなるのみ...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...機敏に人を見透かしもするのであった...
徳田秋声 「仮装人物」
...透かして見て「福富さんだよ」と驚いた様な声をして行き過ぎた...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...そしてその身体(からだ)を透かして心の中の天使が見えるようであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
......
長塚節 「長塚節歌集 下」
...格子の外を月に透かして仰天しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いゝ晩ですな」學生は驚いたやうに重吉の姿を透かしてみるやうなかつかうで...
林芙美子 「なぐさめ」
...三台の手押車をごちゃごちゃ集めてある木材置場の片隅の暗闇(くらやみ)のあたりを透かして見ようとした...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...仔細らしくそこここと透かしていたが...
久生十蘭 「海豹島」
...」榮一は襖を細目に開けて暗がりを透かし見して...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...向うが透かして見えるような絹一面に...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...或はこの場の光景までも見透かして...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...枕元の腕時計を月あかりに透かしてみると驚いた……四時をすこしまわっている...
夢野久作 「一足お先に」
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