...まだ焔の舌を吐いているそのかすかな光に透かして見ますと...
芥川龍之介 「邪宗門」
...まだ燃えている芥火の光にきっと向うを透かして見ますと...
芥川龍之介 「邪宗門」
...それについて、御縁女、相談に来(わ)せられたかな……糸七は蟇と踞み、南瓜の葉がくれ、尾花を透かして、蜻蛉の目で、覗きながら、咄嗟(とっさ)に心(むね)で思ううちに、框(かまち)の障子の、そこに立ったお京の、あでやかに何だか寂しい姿が、褄さきが冷いように、畳をしとしと運ぶのが見えて、縁の敷居際で、すんなりと撓(しな)うばかり、浮腰の膝をついた...
泉鏡花 「薄紅梅」
...日影に透かした趣だったが...
泉鏡花 「婦系図」
...寒い風も透かして見える樣だ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...その樹陰を透かして広やかな泉水の彼方には高塔高く雲を突いた五階建ての燦然(さんぜん)たる白大理石の宮殿が糸杉の並木に囲まれて聳(そび)え立っていた...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...その前栽の植え込みを透かして...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それには透かし彫りの模様があります...
新美南吉 「疣」
...三台の手押車をごちゃごちゃ集めてある木材置場の片隅の暗闇(くらやみ)のあたりを透かして見ようとした...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...ほとんど、真の闇の、山ノ宿裏道の真夜中――人ッ子一人通るはずがないのだが、その時、思いがけなく、駆けゆくお初の行手から、二人づれの、黒い影――「何じゃ! 夜陰に?」と、武家言葉が、とがめるのを、お初、「おたすけ下さいまし、いま、あとから乱暴者が――」「なに、乱暴者?」と、一人が、透かして見て、「おお、なるほど――」雪之丞、とんだ邪魔がはいったと、ハッとしたが、お初を、どうしても、このままには逃せないのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...(牝猿の所に持ち行き、透かし見さす...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...星明りに透かしてみたが...
夢野久作 「巡査辞職」
...光線に透かしてみたり...
夢野久作 「暗黒公使」
...透かし見通す清浄玻璃(せいじょうはり)の...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...夕あかりに透かしつつ机の上のインキ瓶のインキを半分ばかり...
夢野久作 「涙のアリバイ」
...円い鑵からフィルムを取り出して窓の方に透かして見ながら...
横光利一 「旅愁」
...前に行く秋山大助の影をじっと見透かした...
吉川英治 「剣難女難」
...萩戸を透かして見えた...
吉川英治 「夕顔の門」
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