...板を透かしたベンチの上には蟇口(がまぐち)が一つ残っている...
芥川龍之介 「浅草公園」
...玉(ぎょく)ぼやを透かした薄あかりに...
泉鏡花 「女客」
...そこではジッド夫人が幾枚かのレントゲン写真を窓明りにあてて、透かし見てゐた...
犬養健 「亜剌比亜人エルアフイ」
...水月はハンケチを取り上げて日に透かして見たり...
高濱虚子 「俳諧師」
...「これはなんであろう」平三郎はその指をもみあわしてまた燈に透かして見た...
田中貢太郎 「水面に浮んだ女」
...熊谷は中を透かして見ながらそう云いました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...室内から射(さ)す電燈のあかりをたよりに暗い屋根の上を透かしたけれども...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...どんよりと黄いろい薄闇を見透かしたものである……とうとうわたしの部屋にかかっているやくざな柱時計が...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...そしてその身体(からだ)を透かして心の中の天使が見えるようであった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...たなびいた深い靄(もや)を透かしてみると...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...巨大な芋葉と羊齒とを透かしてチラと裸體の影を見たやうに思つた時...
中島敦 「環礁」
...雲の色までが天を透かして碧い...
長谷川時雨 「モルガンお雪」
...窓ガラスの黒文字を透かして見れば...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...「……貴方(あんた)を見損なって……」銀次は月明りを透かして外を覗きながら何かしら冷やかに笑った...
夢野久作 「骸骨の黒穂」
...外からハッキリと透かして見える...
夢野久作 「怪夢」
...能楽の内兜を見透かして...
夢野久作 「道成寺不見記」
...法医学教室の硝子(ガラス)窓越しに見透かして...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...十本の指を透かしてみた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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