...その短剣がどうして消えてなくなったのです」「天井へ逆戻りをしたからですよ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...温厚なる二重瞼と先が少々逆戻りをして根に近づいている鼻と...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...私は――あゝ私は逆戻りして...
種田山頭火 「松山日記」
...今日の標準はまた昔のガス寒暖計に逆戻りした...
寺田寅彦 「科学上の骨董趣味と温故知新」
...私がふと親切な行爲が原因で病氣が逆戻りする事に氣がつきまして主人に其事を話しますと...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...松本奎堂(けいどう)らの浪士と一緒になってまた大和の国へ逆戻りをして来たものです...
中里介山 「大菩薩峠」
...なんだ……大湊(おおみなと)、与兵衛様方小島様まいる――おやおや、この宛先は大湊だよ」「まあ大湊……それではまるでこことは方角違い、早く届ければよかったねえ」「そうだな、宇治から大湊までは一息だが、ここからでは大変だ、逆戻りをして、また宇治山田の町を突っ切って、それからでねえと大湊へは出られねえ」「困りましたねえ、急ぎの用なんでしょうか...
中里介山 「大菩薩峠」
...舟で逆戻りをするようなことになると...
中里介山 「大菩薩峠」
...とてものことにまた逆戻りで...
中里介山 「大菩薩峠」
...また江戸へ逆戻りかな...
中里介山 「大菩薩峠」
...以前の疑いがまた逆戻りをして...
夏目漱石 「こころ」
...なにゆえが分るくらいなら始めから用心をして万歳の逆戻りを防いだはずである...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...それから逆戻りをして塔頭を一々調べにかかると...
夏目漱石 「門」
...縁側の埃は皆んな部屋の中へ逆戻りだ」平次は長火鉢を抱へ込むやうに...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人巧的に呼び込んだ灌漑の水で本流へ逆戻りする前に大方田畑の底に吸はれて水蒸気となる水で...
牧野信一 「月あかり」
...あの女はもとの商ばいに逆戻りさせられるということになるんだ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...逆戻りしてはなるまいと決心して...
山之口貘 「野宿」
...勝手ながら巡査君が立ち去るとまた逆戻り...
山本笑月 「明治世相百話」
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