...思切って逆戻りにその饂飩屋を音訪(おとず)れたのであった...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...今は全く出発点へ逆戻りの形となったことを述べ...
海野十三 「地獄の使者」
...時には逆戻りさえしながら...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...温厚なる二重瞼と先が少々逆戻りをして根に近づいている鼻と...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...過去の歴史に逆戻りするか...
高浜虚子 「俳句への道」
...今日の標準はまた昔のガス寒暖計に逆戻りした...
寺田寅彦 「科学上の骨董趣味と温故知新」
...」「いえ逆戻りじゃありません...
豊島与志雄 「変な男」
...一路御宝蔵へ逆戻り...
中里介山 「大菩薩峠」
...飛騨の高山まで逆戻りの危ねえ綱を渡るでもねえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...急に時代が三四十年も逆戻りをして...
中里介山 「大菩薩峠」
...なにゆえが分るくらいなら始めから用心をして万歳の逆戻りを防いだはずである...
夏目漱石 「趣味の遺伝」
...それから逆戻りをしてしまった...
夏目漱石 「それから」
...つい昨日エスパーニャから歸つて來たばかりの道をまた逆戻りして...
野上豐一郎 「大戰脱出記」
...彼は回復と逆戻りが交互に来て...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...それから再び逆戻りして徐々に村里に入り込んだことは...
柳田国男 「雪国の春」
...「そオれ漢王三尺の……」と逆戻りする...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...夜の間に逆戻りしたんだかわからない...
夢野久作 「難船小僧」
...暖かい他人の同情の言葉もあれば、彼の行動を批判する彼自身の冷(つ)めたい正義観念も交(まざ)っていたが、要するにそんなような種々雑多な印象や記憶の断片や残滓(ざんさい)が、早くも考え疲れに疲れた彼の頭の中で、暈(ぼ)かしになったり、大うつしになったり、又は二重、絞り、切組(きりくみ)、逆戻り、トリック、モンタージュの千変万化(せんぺんばんか)をつくして、或(あるい)は構成派のような、未来派のような、又は印象派のような場面をゴチャゴチャに渦巻きめぐらしつつ、次から次へと変化し、進展し初めたのであった...
夢野久作 「木魂」
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