...いったい黒田は子供の時分から逆境に育ってずいぶん苦しい思いをして来た男だけに世間に対する考えもふけていて...
寺田寅彦 「イタリア人」
...ドイツの大音楽家らの多くが逆境に陥った時と同じく...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...逆境に立つて苦鬪した結果内に潜んで居た鞏固な意志が歴々として容貌の上に表現されて來ました...
長塚節 「教師」
...ひどい逆境におかれている...
中谷宇吉郎 「雪今昔物語」
...しばしば思わざる逆境に臨(のぞ)みし代りに...
野中到 「寒中滞岳記」
...あらゆる逆境に忍んで居る...
萩原朔太郎 「宿命」
...又しても我等の主人公は惨めな逆境に身をさらしたのである! 怖ろしい災厄の海嘯(つなみ)が彼の頭上にどっと押し寄せたのである! これこそ彼が...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...逆境に在る時は全くめ入る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...またもや逆境に見舞われ始めた邸宅へ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...一世に知られずして始終逆境に立ちながら...
正岡子規 「俳人蕪村」
...かつて繁栄せるスペインの人口と同一の悲惨なる逆境に悩むに至るものと...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...入道の宮も東宮のために源氏が逆境に沈んでいることを悲しんでおいでになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...余は我身一つの進退につきても、また我身に係らぬ他人の事につきても、決斷ありと自ら心に誇りしが、此決斷は順境にのみありて、逆境にはあらず...
森鴎外 「舞姫」
...逆境に遭(あ)えば遭うたび...
吉川英治 「黒田如水」
...朕が逆境に浮沈していた頃から卿のつくしてくれた大功は片時も忘れてはいない...
吉川英治 「三国志」
...生れつき余り丈夫でもない肉体なのに、この矮短(わいたん)な一小躯(しょうく)をもっても、それに剋(か)って来られただけの意志を作っておいてくれた幼少時の貧苦と、世路の逆境にも、沁々(しみじみ)ありがたさを思う日もあった...
吉川英治 「新書太閤記」
...貧苦と逆境には骨の髄(ずい)まで虐(さいな)まれて来た人とも見えない...
吉川英治 「新書太閤記」
...よく逆境にある政客や事業家などが好んで口にする語だが...
吉川英治 「新書太閤記」
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