...女をさうした逆境に突き落す金がいくらであるかを聞いた...
武田麟太郎 「日本三文オペラ」
...逆境にあるバーグレーヴ夫人を慰藉(いしゃ)するとともに...
デフォー Daniel Defoe 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...いったい黒田は子供の時分から逆境に育ってずいぶん苦しい思いをして来た男だけに世間に対する考えもふけていて...
寺田寅彦 「イタリア人」
...進歩党が久しく逆境に沈淪したるは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...逆境にある君主に対して不敵なる態度を取るはいとやすきことなり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...かかる一家の逆境に立っている際...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...あらゆる逆境に忍んで居る...
萩原朔太郎 「宿命」
...逆境に在る時は全くめ入る...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...入道の宮も東宮のために源氏が逆境に沈んでいることを悲しんでおいでになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一時逆境に置かれたころなどは...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...余は我身一つの進退につきても、また我身に係らぬ他人(ひと)の事につきても、決断ありと自ら心に誇りしが、此決断は順境にのみありて、逆境にはあらず...
森鴎外 「舞姫」
...(セネカ)逆境にありて死をあなどるは易し...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...逆境に遭(あ)えば遭うたび...
吉川英治 「黒田如水」
...これしきの逆境に負けてどう召さる...
吉川英治 「剣の四君子」
...与えられた逆境に感謝しているものの...
吉川英治 「新書太閤記」
...生れつき余り丈夫でもない肉体なのに、この矮短(わいたん)な一小躯(しょうく)をもっても、それに剋(か)って来られただけの意志を作っておいてくれた幼少時の貧苦と、世路の逆境にも、沁々(しみじみ)ありがたさを思う日もあった...
吉川英治 「新書太閤記」
...よく逆境にある政客や事業家などが好んで口にする語だが...
吉川英治 「新書太閤記」
...逆境に依る偏狭のなせるわざだった...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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