...その頬を一寸傷づけても血の流れさうな逆上した頬をして...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...逆上したようなドミトリイ・フョードロヴィッチの顔を見つめながら叫んだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...口惜しさに逆上した...
直木三十五 「南国太平記」
...(久光を討つなら、今だ)小太郎は、少し、逆上したように、大きく息をついて、馬の足音の近づくのへ、神経を立てていた...
直木三十五 「南国太平記」
...エビルは忽(たちま)ちカアーッと逆上した...
中島敦 「南島譚」
...いくら逆上したといっても...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...若いひとたちは逆上したままでいるので...
久生十蘭 「だいこん」
...花が逆上したような眼付で入って来て...
久生十蘭 「魔都」
...他合もなく逆上した...
牧野信一 「小川の流れ」
...細君は忽ちヒステリの發作を起して「あたしはもう十年も辛抱してゐる――着るものもなくなつちやつた!」と自分で自分の言葉に逆上した...
牧野信一 「痴日」
...「勝った? 何に? 誰れに? 私に? あの方に?」と逆上した彼の女は早口に叫んだ...
松永延造 「職工と微笑」
...顔が火のように逆上した...
室生犀星 「幼年時代」
...突然、燃え上るような羞恥(しゅうち)、逆上した、怒りに似た羞恥が彼をとらえた...
山川方夫 「待っている女」
...おれのこの首が欲しいのだろう」六兵衛は逆上した...
山本周五郎 「ひとごろし」
...逆上したようにきーっと叫んだ...
山本周五郎 「へちまの木」
...屈辱のために逆上した...
山本周五郎 「山彦乙女」
...鹿の流れは訶和郎の馬を浮べて逆上した...
横光利一 「日輪」
...逆上したんじゃあるめえか」夏が近い――烏山の町の者や...
吉川英治 「旗岡巡査」
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