...春三郎は手に刃を持つて居れば後から其冷刻な臭骸を屠つて遣り度いと迄逆上したが病人の事も氣になつて已むを得ず踵を返した...
高濱虚子 「續俳諧師」
...これも自分の娘可愛(かわい)さのあまりに逆上したのだ...
太宰治 「新ハムレット」
...逆上したる街頭の市民傍観者のある者が...
寺田寅彦 「火事教育」
...口惜しさに逆上した...
直木三十五 「南国太平記」
...エビルは忽(たちま)ちカアーッと逆上した...
中島敦 「南島譚」
...花は急に逆上したような眼付になって...
久生十蘭 「魔都」
...王様の姿を追求して今や逆上したようになっている内...
久生十蘭 「魔都」
...知りすぎているし、逆上した女は、最初に出会った者に全部喋りかねないぜ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...他合もなく逆上した...
牧野信一 「小川の流れ」
...涙を滾して逆上した姿を想像すると...
牧野信一 「好色夢」
...頭は突然カツと逆上したかと思ふと...
牧野信一 「蝉」
...何うしてあんなに逆上したのだらう――と滝本は...
牧野信一 「南風譜」
...不思議な自負心に逆上したり...
牧野信一 「浪曼的時評」
...癇癖(かんぺき)に逆上した定明はやかたに飛びこむと...
室生犀星 「野に臥す者」
...逆上したような与平の泣き声だけが...
山本周五郎 「さぶ」
...あれだけの人数が逆上したようになり...
山本周五郎 「さぶ」
...屈辱のために逆上した...
山本周五郎 「山彦乙女」
...……逆上したのか...
吉川英治 「新・水滸伝」
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