...退屈さうに坐つてゐるばかりである...
芥川龍之介 「あばばばば」
...彼女はこんなに長い距離を普通車で行く退屈さが思いやられたが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...退屈さうな顔をして日向ぼつこなどをしてゐる時に...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...この親愛なる田舎(いなか)の退屈さに...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かもめ」
...浴衣のうへに貸し褞袍を重ねて番傘を翳しながら其處らを退屈さうにぶら/\歩いてゐたりするのを見掛けるが...
近松秋江 「箱根の山々」
...今の生徒は『徒然草(つれづれぐさ)』や『大鏡』などをぶっ通しに読まされた時代の「こく」のある退屈さを知らない代りに...
寺田寅彦 「マーカス・ショーとレビュー式教育」
...僕が君を退屈させたまさに張本人たる人物だ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「蒼炎石」
...彼らは地方生活の退屈さに罪を着せた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...老人は将校を退屈させ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...奥さんは、退屈さうだ...
中原中也 「夏」
...馬が退屈さうに横目を使ってゐる...
原民喜 「閑人」
...退屈さうなセヽラ笑ひを浮べた...
牧野信一 「鏡地獄」
...斯んな話は如何にも退屈さうな馬鹿坊ちやんの痴夢と嘲られるでせうが...
牧野信一 「タンタレスの春」
...梅雨(つゆ)が例年よりも長く続いていつ晴れるとも思われないころの退屈さに六条院の人たちも絵や小説を写すのに没頭した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...閑散な家では退屈さに婦人たちさえ端近く出て...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...もう襲って来ている退屈さの底から...
横光利一 「旅愁」
...時間を約束してあるので、小売部の金庫のまえには、豚のごとく肥えた老主人が、お光さんの所謂(いわゆる)狒々然(ひひぜん)たる精力的な精力を、為(な)すことなく、退屈させていた...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...平和の退屈さから...
吉川英治 「新・水滸伝」
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