...退嬰(たいえい)に非ず...
石川啄木 「閑天地」
...なお決して世を離れるような退嬰(たいえい)的な態度をとらしめるに至らなかった所以(ゆえん)はここにあると私は思う...
石原純 「左千夫先生への追憶」
...私には少しも退嬰(たいえい)的なものとは考えられない...
太宰治 「惜別」
...何事にも退嬰(たいえい)的な本家が...
谷崎潤一郎 「細雪」
...私は私があまりに退嬰的隠遁的であることを恥ぢる...
種田山頭火 「其中日記」
...この甲型の人の目から見ると乙型の人間は消極的退嬰的(たいえいてき)な利己主義者に見える...
寺田寅彦 「蒸発皿」
...しかし本来の風雅の道は決して人を退嬰的(たいえいてき)にするためのものではなかったと思う...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...之によって吹き飛ばされる保守退嬰・因循姑息は...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...資本家政治家が健全財政とか内政重視とかいう退嬰政策を取れば...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...退嬰的ではあるけれど...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...退嬰的な非建設的な創造である...
豊島与志雄 「神話と青春との復活」
...退嬰(たいえい)と称するが如き消極的処世の道を教えた...
永井荷風 「西瓜」
...至って退嬰主義(たいえいしゅぎ)の男であった...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...彼の退嬰主義も半(なか)ばはこの安泰な境遇に慣(な)れて...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...我邦の現時は吾人をして寸時も放漫退嬰苟且偸安(こうしょとうあん)を許さざるなり...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...老人めく因循姑息な退嬰気分は一切放擲して...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...退嬰策(たいえいさく)になってゆくのは是非もなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...建設事業の一環として受け継がれてきた精密な数学的要素のお陰で他に比べて退嬰を免れていた...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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