...なお決して世を離れるような退嬰(たいえい)的な態度をとらしめるに至らなかった所以(ゆえん)はここにあると私は思う...
石原純 「左千夫先生への追憶」
...今日のように保守的といわんよりは退嬰的(たいえいてき)な...
海野十三 「『十八時の音楽浴』の作者の言葉」
...日本は今日の財力を守って孤島に退嬰(たいえい)し...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...慶長十八年すでに支倉(はせくら)六右衛門常長を特使としてローマに派遣して他藩の保守退嬰派(たいえいは)を瞠若(どうじゃく)させたりなどして...
太宰治 「惜別」
...私には少しも退嬰(たいえい)的なものとは考えられない...
太宰治 「惜別」
...万事に旧弊で退嬰(たいえい)的な人ではあったが...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何事にも退嬰(たいえい)的な本家が...
谷崎潤一郎 「細雪」
...この甲型の人の目から見ると乙型の人間は消極的退嬰的(たいえいてき)な利己主義者に見える...
寺田寅彦 「蒸発皿」
...いわゆる重臣ブロックの持つ萎微退嬰の消極的指導方針は国運の進展を阻害しわが党の積極的方針とは背馳するものがあるから...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...我国家民族の進展を阻止せんとする退嬰の見解であって...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...併し互いに完全に食い違ったこの退嬰主義とこの進展主義とは...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...退嬰的ではあるけれど...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...評家が創作家でもある場合に於ける自己標準の退嬰的批評や他日を予想する下心的批評...
豊島与志雄 「月評をして」
...退嬰(たいえい)と称するが如き消極的処世の道を教えた...
永井荷風 「西瓜」
...彼の退嬰主義も半(なか)ばはこの安泰な境遇に慣(な)れて...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...我邦の現時は吾人をして寸時も放漫退嬰苟且偸安(こうしょとうあん)を許さざるなり...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...最も退嬰的であると考えられていた教員...
宮本百合子 「国際民婦連へのメッセージ」
...そんな退嬰的だから...
吉川英治 「随筆 新平家」
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