...何事にも退嬰的な態度をとることと...
石川啄木 「A LETTER FROM PRISON」
...なお決して世を離れるような退嬰(たいえい)的な態度をとらしめるに至らなかった所以(ゆえん)はここにあると私は思う...
石原純 「左千夫先生への追憶」
...今日のように保守的といわんよりは退嬰的(たいえいてき)な...
海野十三 「『十八時の音楽浴』の作者の言葉」
...日本は今日の財力を守って孤島に退嬰(たいえい)し...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...しかし本来の風雅の道は決して人を退嬰的(たいえいてき)にするためのものではなかったと思う...
寺田寅彦 「俳諧の本質的概論」
...彼は商売に退嬰的な甥を勇気づけた...
徳田秋聲 「芭蕉と歯朶」
...保守退嬰・因循姑息は進取積極・勇邁果敢・等々(其の他一ダースのそうしたもの)による気魄の前で...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...いわゆる重臣ブロックの持つ萎微退嬰の消極的指導方針は国運の進展を阻害しわが党の積極的方針とは背馳するものがあるから...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...(一九三五年)5 日本資本の退嬰主義と進展主義かつて河北省に於ける農民暴動と夫による自治独立政権運動とが報道された際に...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...併し互いに完全に食い違ったこの退嬰主義とこの進展主義とは...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...彼の退嬰主義も半(なか)ばはこの安泰な境遇に慣(な)れて...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...回顧的だとか退嬰(たいえい)的だとかいわれるが...
野村胡堂 「平次放談」
...我邦の現時は吾人をして寸時も放漫退嬰苟且偸安(こうしょとうあん)を許さざるなり...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...老人めく因循姑息な退嬰気分は一切放擲して...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...それが又彼等の伝統による情緒性へよび戻して或る意味では退嬰にも近づくのですが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...退嬰(たいえい)外交を続けて来ました事か...
夢野久作 「暗黒公使」
...退嬰期の古きものどもの中にはそれらの山脈に奇妙な祈りを捧げる者がいた――が...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...かのぬめぬめとした滑らかな床と人を小馬鹿にするような退嬰的猿真似で置換された壁面彫刻を持つ冒的なトンネルを全速力で走り抜けてさえいたら――我々が見てしまったあるものを目にする前に...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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