...いたずらに黙して退くがごときは...
石原純 「社会事情と科学的精神」
...我々は他の人々のやる通りに町を立ち退く事にして可なり行つて畑の中に止まつた...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...彼女の退くのを待って...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「恐怖の幻兵団員」
...終に大いにやぶれて引き退く...
大町桂月 「國府臺」
...満々たる不平を懐きつつ主人の退くのを今か今かと待って居るのであります...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...纔(わず)かに寸を進めて尺を退くの愚を敢てする事の多いのを常に自ら憐んでゐるのである...
田山録弥 「「毒と薬」序」
...話はおだやかにまとまり二十日には間違ひなく立退く事を約せり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...兵馬は空しく先刻の手紙を繰展(くりの)べて読んでみると、簡単に、「感ずるところあって、当所を立ち退く、行先は当分誰にも語らず、後事よろしく頼む」というだけの意味であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...相手もまたそれで退くくらいなら...
中里介山 「大菩薩峠」
...京姫が汚いものから飛退くように飛びすさると...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...太い野郎だ」「あっ」飛退くと甚三郎の手には...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...時次郎 だれが何といったって退くものか...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...客觀的實在世界の認識が觀想である限り主體は影をひそめ活動の性格は表面より退く故...
波多野精一 「時と永遠」
...若し夫れ老朽者をして安んじて職を退くを得せしめ...
原勝郎 「貢院の春」
...今や謙信以下の者は、自ら潔(いさぎよ)しとなしていた無策の陣に、かえって、虚無を感じ、危惧(きぐ)をおぼえ、退くに退かれず、進むに進まれず、妻女山一帯を生ける屍の墓地としてしまっている...
吉川英治 「上杉謙信」
...退くとなるや、蜀勢はいちどに乱れ、一律の連脈ある敵の包囲下に、随所に捕捉され、殲滅(せんめつ)にあい、討たるる者、数知れなかった...
吉川英治 「三国志」
...「孔明の退く手口を見ると...
吉川英治 「三国志」
...急に退くときは、魏はこの機会に呉楚(ごそ)を呑まんと、大追撃を起して来るかも知れない...
吉川英治 「三国志」
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