...だから私は私の属していた団体を退くと共に...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...彼等は引き分けられて退く...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...旱魃(かんばつ)来(きた)りて水退くやこの二つの草が忽(たちま)ち枯るることをいうたのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...大臣に会うまで一足もここを退くな」総代の者が仕方なくこのことを通じると...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...出るにも退くにも大勢の召使たちに囲繞(いにょう)せられている...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...わかってる! わかってるのだ! お前の言ってることはちっとも間違っとりはせん! 間違っとりはせん! ちょっとそうしてろ!」と兄は飛び退くようにして部屋を出て行ったが...
橘外男 「逗子物語」
...――ついでヘクトールの爲めに敗られ退く...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...アカイア軍は退くもたゞしばしのみ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...進むことも退くことも叶はなくなつた...
中原中也 「山間秘話」
...人の後に従いて前の人の退くを待つて其人の前に出て名刺を出してお辞儀をすると...
二葉亭四迷 「旅日記」
...(岩の方へ退く...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...忽ち体をかわして跳び退く用意さえ真紀子の方にある...
横光利一 「旅愁」
...けれどそれが遠退くと...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...「退くな」「あわてるな」と...
吉川英治 「三国志」
...残る楊任も、張衛のあとを追って南鄭関(なんていかん)へと逃げのびて行ったが、このみじめな敗戦に、漢中の張魯は激怒して、「それ以上、退く者は、即座に首を刎ねる」と、厳重な督戦令を出した...
吉川英治 「三国志」
...けんっ――と、するどく悲鳴して、四肢を退くと、怒りを眸に示して、ひくく唸(うな)った...
吉川英治 「私本太平記」
...退くまでも」「なんの...
吉川英治 「新書太閤記」
...退くのが賢明――と思いながら...
吉川英治 「源頼朝」
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