...それを皆追出(おんだ)して遣つた悪党女ながら...
石川啄木 「赤痢」
...タダの奉公人でも追出すような了簡(りょうけん)で葉書一枚で解職を通知したぎりで冷(す)ましているというは天下の国士を任ずる沼南にあるまじき不信であるというので...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...もう三年分の金をやつて葛卷を追出してしまへといつたときに...
小穴隆一 「二つの繪」
...些細の過失を口実となし追出す工夫をする...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...家(うち)を追出して古井戸の柳へ縛りつけるぞと怒鳴(どな)って...
永井荷風 「狐」
...俺らはまたあの家を追出(おんだ)されるんだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...性急の故に我々は樂園から追出され...
フランツ・カフカ 中島敦訳 「罪・苦痛・希望・及び眞實の道についての考察」
...追出す證據もなく...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...皆肌半之丞をここから追出して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...直(ぢき)さま追出(おひだ)して家(うち)へは入(い)れて遣(や)らないや...
樋口一葉 「たけくらべ」
...こんどは戦法を変えて巧妙な追出しにかかった...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...其極めて多言なる者は必ず家族親類風波の基なれば速(すみやか)に追出す可し...
福沢諭吉 「女大学評論」
...藩で何か議論をして中津を追出(おいだ)されて豊後の臼杵(うすき)藩の儒者になって居たから...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...それに三田さんはなさけ深い方(かた)だから……」おりかは料理人ともろともに醉月を追出されると直ぐにその牛屋の女中に住込んだが...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...」一刻も早く追出さうと思ふばかりだつた...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...それを追出す日といつの頃よりかいうのである...
柳田国男 「年中行事覚書」
...貧乏神を追出すと今ではいっているが...
柳田国男 「年中行事覚書」
...かくしてこの屍体台帳から完全に追出されてしまった訳で御座います...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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