...逃げる者も追う者も...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...少し遅い子供は七年目とか十三年目とかちやんと年期を追うて出来るものなのださうだ...
薄田泣菫 「茶話」
...わたしはさっきからそのまぼろしを追うこころを歌にしようとしていたのですけれどうまいぐあいに纏(まと)まらないので困っていたのです...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...私は写真の面影をなお追うような心持になったが...
近松秋江 「狂乱」
...牧は、斉彬が、真逆様に、闇黒の底に燃え上っている火焔の中へ落下して行く形を見、それを追うて、同じように、墜落して行く自分の姿をも見た...
直木三十五 「南国太平記」
...「叱!」兵馬は石を振り上げて追う...
中里介山 「大菩薩峠」
...熱を追うて突き上る風諸共...
夏目漱石 「幻影の盾」
...花嫁の駕籠が入口を塞いで急には曲者(くせもの)の後を追うことも出来ません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...虎がのそりと立って後を追う...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...コノール・マック・ネサの子コルマックの影のあとを追う影がある時...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「琴」
...それを仙太が荒しに来て有金ソツクリさらって逃げ出したのを取戻そうと追うたのを仙太が斬った...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...あまりにこれを追うものと等しく敗る...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...美を追うたラスキンはギルドを試み...
柳宗悦 「工藝の道」
...心まかせに鳥を追う詞(ことば)を唱(とな)えるのが...
柳田国男 「こども風土記」
...こんな何でもない流行を追うていたように...
柳田国男 「木綿以前の事」
...司馬懿が魏延(ぎえん)を追うて...
吉川英治 「三国志」
...……ここ数年、織田家が信秀の代とちごうて、余り他国へ侵攻して出ぬのは、専ら、内治を整えておったためだの」「二心ある者は、系類であると、譜代(ふだい)の臣であるとを問わず、思いきって、討つ者は討ち、追う者は追い、ほとんど清洲から清掃されたようでありまする」「その信長を、一頃(ひところ)は、稀なわがままものよ、阿呆(あほう)の殿よと、今川家などにおいても、よう笑いばなしに取沙汰があったが」「もってのほかです...
吉川英治 「新書太閤記」
...「鷹を追うのじゃ」と称して...
吉川英治 「新書太閤記」
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