...も一度『貴方は!』迸しる樣に言つて...
石川啄木 「鳥影」
...おまへの爪の下(した)に迸(ほとばし)る血でもつて兄弟の契(ちぎり)を結ばせる藥が出來さうだ...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...それは自(ひとりで)に妾の口を迸(ほとばし)り出でた言葉だったけれど...
海野十三 「三人の双生児」
...先ず一方へ閃光(せんこう)のように迸り出る火焔も見え...
寺田寅彦 「雑記(2[#「2」はローマ数字、1-13-22])」
...思想からよりもむしろ肉体から迸(ほとばし)り出たものであって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...思いもつかない未知の力が自分のうちから迸り出るのを見て...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...宇津木兄弟を同じ刃(やいば)に……」竜之助の蒼白い面に凄い微笑が迸(ほとばし)る...
中里介山 「大菩薩峠」
...彼らの見たる物象観が明瞭(めいりょう)に筆端に迸(ほとば)しっておらねば...
夏目漱石 「草枕」
...その時私も兄さんの口を迸(ほとば)しる Einsamkeit, du meine Heimat Einsamkeit !(孤独なるものよ...
夏目漱石 「行人」
...お秀の口から迸(ほと)ばしるように出た不審の一句...
夏目漱石 「明暗」
...笹紅(さゝべに)を含んだ小染の唇から迸(ほとば)しりました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...もうお前もすぐキラキラした迸るばかりのものに誘はれてゐた...
原民喜 「鎮魂歌」
...……光ちゃん」と声は全身全霊を引裂くように迸(ほとばし)り...
原民喜 「夏の花」
......
槇村浩 「一九三二・二・二六」
...感情が堰かれて迸るといふやうな事もあまりなく...
水野仙子 「道」
...ひどく嗄(か)れた声が止めどもなく迸(ほとば)しり出た...
山本周五郎 「日本婦道記」
...「……ワ……ワ……若林……」「馬鹿ッ……」という大喝が木魂(こだま)返しに正木博士の口から迸(ほとばし)り出た...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...沸沸(ふつふつ)と迸(ほとばし)る銀白(ぱく)の蒸気と...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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