...この一枚の十円札もこう云う楽書の作者にはただ酢(すし)にでもするかどうかを迷わせただけに過ぎなかったのであろう...
芥川龍之介 「十円札」
...こんな迷信を持っているのは...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...迷(まよ)はしの足りないほかの花よりも...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...どっちへ取り掛かって好いか気迷いがしてどっちにも取り掛かることが出来ないのでありました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...つねづね伯母さんにも松は神木だときいてたゆゑ私は松の木が迷信的に好きであつた...
中勘助 「銀の匙」
...迷宮に入ることの困難の如くであるが...
中里介山 「大菩薩峠」
...ちょうど婆さんの御誂(おあつら)え通りに事件が輻輳(ふくそう)したからたまらない」「それでも宇野の御嬢さんはまだ四谷にいるんだから心配せんでもよさそうなものだ」「それを心配するから迷信婆々(ばばあ)さ...
夏目漱石 「琴のそら音」
...迷亭は人の家(うち)も自分の家も同じものと心得ているのか案内も乞わず...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...それやこれやでいろいろ物を使っているんですから」「是非寒月君の事を根堀り葉堀り御聞きにならなくっちゃ御帰りにならないと云う決心ですかね」と迷亭も少し気持を悪くしたと見えて...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...そうとう迷つていたことが...
蜷川新 「天皇」
...二度と夜迷い言をいってこねえようにすると云ってましたが...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...いい迷惑をかけてくれたわ」久我は本を閉じて...
久生十蘭 「金狼」
...たちまち迷惑顔をなさいました...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...マザロフの迷惑などおかまいなしだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...「また迷ったのか」「つまり...
本庄陸男 「石狩川」
...もちろん或る場合には耳の迷いということもありうるが...
柳田国男 「山の人生」
...何か思い迷うらしい面持...
吉川英治 「江戸三国志」
...あなたを迷わす人情があるという理窟になりますぜ」「あるだろうじゃないか...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索