...特に借屋住居の身として節度なき自然の襲撃に疲れたる心には此不滿が一層の苦しさを以つて迫り來るのである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...兩崖相迫りて高く...
大町桂月 「梅の吉野村」
...其雙眼は迫り來る黒(こく)暗々(あんあん)の夜に閉ぢぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...逐ひ行き之に迫り來て...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...斯くして兩者眞近くに互に迫り來る時...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...210主將の言にもろ/\の部隊ます/\迫り合ふ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...戰鬪と抗爭痛く迫り來ぬ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...いわんや時勢迫り...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...ムク犬の前に迫り...
中里介山 「大菩薩峠」
...その片鱗を見せる状況が迫りつつあったというべきだろう...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...なんだかウイリアム・ブレイクの絵の或る複雑な構図と同じような不可解さをもって彼に迫りながら...
堀辰雄 「恢復期」
...こちらの鼻ッつらには迫り来る秋のけはいを感じている...
本庄陸男 「石狩川」
...麗らかな天気つゞきのまゝに目睫に迫りました...
牧野信一 「祝福された星の歌」
...白雲をあやどる山脉はいよいよ迫りてかぶせかゝらん勢ひ恐ろしく奥山の雪を解かして清らかなる水は谷を縫ふて其響凄し...
正岡子規 「かけはしの記」
...「お鶴は行ってしまうのだ」「一人ぼっちになってしまうのだ」とうら悲しさに迫り来る夜の闇の中に泣き濡(ぬ)れて立っていた...
水上滝太郎 「山の手の子」
...迫り、泣かせ、圧倒するリズムがあれから浸透して来ますか?ああ、私の望むもの、私の愛すもの其は、我裡からのみ湧き立って来るものだ...
宮本百合子 「五月の空」
...その後、曹操のほうにも、何ら、良計はなく、徐晃(じょこう)と朱霊(しゅれい)のふたりに四千騎をさずけて、渭水(いすい)の西に伏せ、自身、河をわたって、正面を衝こうとしたが、事前に、馬超のほうから軽兵数百騎をひきい、氷城の前に迫り、人もなげに、諸所を蹂躙(じゅうりん)して去った...
吉川英治 「三国志」
...加越能の一向一揆との迫り合いによって鍛えられた人である...
和辻哲郎 「鎖国」
便利!手書き漢字入力検索