...噫々(ああ)今にして花火線香の玉を消したことは返す返すも残念でならない...
青柳喜兵衛 「夢の如く出現した彼」
...返す返すも遺憾(ゐかん)に違ひない...
芥川龍之介 「京都日記」
...返す返すも竹田は善き人なり...
芥川龍之介 「雑筆」
...われに渡して疾(と)く逃げずや」「返す返すも舌長し...
巌谷小波 「こがね丸」
...よんどころなく、夜が更(ふ)けてから彼女はそうッとスコップを持って出かけて行って、その辺の畑の土を掻いて来たり、小学校の運動場から滑り台の砂を盗んで来たり、そんな晩には又よく犬に吠(ほ)えられたり、怪しい男に尾(つ)けられたり、―――全く、リリーのためでなかったら、誰に頼まれてこんな嫌な仕事をしよう、だが又リリーのためならばこう云う苦労を厭(いと)わないとは、何としたことであろうと思うと、返す返すも、蘆屋の時分に、なぜこの半分もの愛情を以て、この獣をいつくしんでやらなかったか、自分にそう云う心がけがあったら、よもや夫との仲が不縁になりはしなかったであろうし、このような憂き目は見なかったであろうものをと、今更それが悔まれてならない...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...返す返すも気の毒なことであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...返す返すもドジだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...返す返すもしゃくだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...当座の飢えをしのいでさえいれば、こうして人様の家へ闖入(ちんにゅう)して、首をしめられ、地獄の境まで見せてもらうような羽目にも落ちなかったろうに、返す返すも、ポテトに恨みがあるようなことを言いました...
中里介山 「大菩薩峠」
...返す返すも無念に思ひながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...返す返すも世の中に頼みなきものは名分なり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...返す返すも惜しい...
堀辰雄 「辻野久憲君」
...返す返すも心残りだったし...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...からごろもまた唐衣からごろも返す返すも唐衣なると書いて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...返す返すも父宮の御遺言にそむいて結婚をし...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...返す返すも天命をかんがえ申し候えども...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...返す返すも驚き入った話じゃのう...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...返す返すも馬鹿馬鹿しい話さね...
夢野久作 「無系統虎列剌」
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