...返す詞も無かりし一場の話に徴して知るべし...
芥川龍之介 「大久保湖州」
...蘭堂はもう力が尽きてはね返す気力はなかった...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...私は折角使の方が持つて來たものを返すといふのは變だなといふと...
薄田泣菫 「詩集の後に」
...預かったパチンコも返せねえ」「丸万に返すがいいや」「砂馬の親分に返す...
高見順 「いやな感じ」
...………」「兎に角寝てからのことにするわ」幸子は夜汽車で眠れなかったのを取り返すために...
谷崎潤一郎 「細雪」
...それが危険だからと言つてあとへ引返すわけにも行かなかつた...
田山録弥 「山間の旅舎」
...勝気な素子は入院中の仕事の遅れを取り返すため...
外村繁 「日を愛しむ」
...名刺を返すと、その人はそれを裂いて火鉢の火にくべた...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...しかし引き返すの危険は更に大きかった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...神々の屬性の一つである「絶對の不變性」を以て之を繰返すであらう...
中島敦 「かめれおん日記」
...よくも懲りないで侵し合いを繰り返すものだ...
野上豊一郎 「ヴェルダン」
...返す返すも惜しい...
堀辰雄 「辻野久憲君」
...何もかも上を下へとごった返すが好い...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...翌日それを持つて往つて返すと...
森林太郎 「私が十四五歳の時」
...問い返すように由利江を見たが...
山本周五郎 「落ち梅記」
...けれどもなるべくなれば御手書はお眼にかけぬようとのおぼしめしでした」「それはまたなぜだ」老人の問いに対して秀之進はじっと見返すだけだった...
山本周五郎 「新潮記」
...彼は秋三の嘲笑を一瞬にして見返すことが出来るように思われた...
横光利一 「南北」
...云い返すんですのよ...
横光利一 「旅愁」
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