...上品で端麗な若い青年の肉体が近寄るに従って...
有島武郎 「クララの出家」
...しかも太子の船室(ケビン)のみかは! その船室への通路にさえも菱形に一本マークを着けた船の士官(オフィサー)が両側の入り口に一人ずつ頑張って何としても近寄ることを許さなかった...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...又(また)或地(あるち)のアイヌはコロボツクルの女子(じよし)がアイヌに近寄る時には片袖(かたそで)にて口を覆(お)ひたりと云ひ傳ふ...
坪井正五郎 「コロボックル風俗考」
...トナカイが死地に陥って敢然たる攻勢を取り近寄る犬どもを踏みつぶそうとする光景は獣類とはいえ悲壮である...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...近寄るにははなはだ不便である...
寺田寅彦 「疑問と空想」
...がんりきを引捕ろうとするような、待ったなしの出足では近寄れない、相手が違う、ということは、近寄る方でも、最初からその勘にあることです...
中里介山 「大菩薩峠」
...やぶのため近寄ることは出来ぬ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...中四尺を隔てて近寄るに力なく...
夏目漱石 「薤露行」
...身を向けて戸口の方(かた)に三歩ばかり近寄る...
夏目漱石 「幻影の盾」
...近寄る足音と共に新らしく入って来た人が...
夏目漱石 「明暗」
...近寄る工夫も顔を見る術も無いが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...ア」近寄る八五郎の顏を見て...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「背後(うしろ)から曲者の近寄るのを知らずに居たのかな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...足跡を殘さずに近寄る工夫はありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...近寄るとプンと酒精(アルコール)が匂ひさうな中に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...理性はその足元にも近寄ることができない」といって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...近寄ることを許さない冷たさがあった...
山本周五郎 「新潮記」
...貨車の係員たちが近寄るときつと唸りかけた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
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