...上品で端麗な若い青年の肉体が近寄るに従って...
有島武郎 「クララの出家」
...物体の視角がその物に近寄る人にはだんだん大きくなり...
スワンテ・アウグスト・アーレニウス Svante August Arrhenius 寺田寅彦訳 「宇宙の始まり」
...藁草履(わらぞうり)を引摺(ひきず)って、勢(いきおい)の無さは埃(ほこり)も得(え)立てず、地の底に滅入込(めりこ)むようにして、正面から辿(たど)って来て、ここへ休もうとしたらしかったが、目ももう疎(うと)くて、近寄るまで、心着かなんだろう...
泉鏡花 「婦系図」
...十六歳の美しい處女には近寄るなといふ深切な忠告を匂はせた滑稽物語でもあらうか...
太宰治 「お伽草紙」
...男の方に近寄るなり...
田中貢太郎 「令狐生冥夢録」
...トナカイが死地に陥って敢然たる攻勢を取り近寄る犬どもを踏みつぶそうとする光景は獣類とはいえ悲壮である...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...敵軍が近寄るのでフィンが呼びさますと...
寺田寅彦 「春寒」
...」入口に近寄ると...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「土色の顔」
...三月十一日重之助ともに周旋致し候えども異船へ近寄るべき手段これ無く...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...クリストフは彼から遠くにいた――いかに永遠をかけてもふたたびたがいに近寄ることがないほど遠くに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...まず同情の色を見せて近寄ると...
中里介山 「大菩薩峠」
...近寄るがものはない...
夏目漱石 「坑夫」
...筋違(すじかい)に通を横切って細い横町の角にある唐物屋(とうぶつや)の傍(そば)へ近寄ると...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...足跡を殘さずに近寄る工夫はありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...このとき静かに片山の側に近寄ると...
原民喜 「壊滅の序曲」
...ユリぢや無いかな?」楽士達バラバラと走つて近寄る...
三好十郎 「おスミの持参金」
...街路上に残りおりし見物人数名に重軽傷を負わしめたるを以て近寄る能わず...
夢野久作 「暗黒公使」
...彼は墓石へでも近寄るやうに...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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