...遠く離れた辺りへ幽かに聞えて来るのも流石(さすが)に秋らしい...
岩本素白 「六日月」
...辺りが恐ろしいほど静かになった...
大阪圭吉 「死の快走船」
...俺もこの辺りを散歩して間もなく家に帰る...
中村地平 「霧の蕃社」
...昨夜と同じ人間の体温を頬(ほお)の辺りに感じた...
葉山嘉樹 「死屍を食う男」
...何しろ辺りは、処きらはず畝になつてゐたものだから...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...この辺りには篠谷に反感を持つてゐる多くの率直な漁夫がゐて...
牧野信一 「南風譜」
...この山の中腹辺りから...
正岡容 「寄席」
...さしずめ宿賃や米代の払いにし良人の体がすこしでも快くなったら売られるものは売り払って久留米辺りまで出よう...
矢田津世子 「旅役者の妻より」
...ちょうど笑窪(えくぼ)の辺りを軽く押して...
吉川英治 「江戸三国志」
...五里の果てに尽きて――鵜沼(うぬま)街道と飛騨(ひだ)の山街道とが山中で交叉(こうさ)している辺りを起点として...
吉川英治 「新書太閤記」
...――利家は、相浦、阿岸の二士を顧(かえり)みて、眼で何事かを頷(うなず)かせ、「皆もつづけ」と、辺りへ云って、急に馬を飛ばし始めた...
吉川英治 「新書太閤記」
...何かつい其処ら辺りまで用達に出て行くような老人であった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...辺りへよるな、物いふな」と怯(お)ぢ恐れてのみ通しける...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...『大行山も、この辺りは、もっとも景がよろしい...
吉川英治 「人間山水図巻」
...門の辺りにさっきから佇(たたず)んでいた常磐は...
吉川英治 「源頼朝」
...彼女の泣きこんだ辺りで...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その辺りにチラと灯が見えた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...いつまでも江戸の話をしているので――伊織は辺りの草の花など眼に拾いながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
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