...」(「永日小品」の「暖かい夢」)これはいづれも数語の中に一事件の起る背景を描いた辣腕(らつわん)を示してゐるものであります...
芥川龍之介 「文芸鑑賞講座」
...折に触れて渠らと邂逅して渠らの辣手(らつしゅ)を振う経営ぶりを目のあたりに見る度毎(たんび)に自分の経済的手腕の実は余り頼りにならないのを内心危(あぶ)なッかしく思いながらも脾肉(ひにく)に堪えられなかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...ことさら私たちの関係を誤解させるための悪辣な計略だ...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...どんな悪辣な方法でもやるだろう...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...辛辣になってきた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...辛辣という点では...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...辛辣(しんらつ)の質(さが)にて好む唐辛子(とうがらし)七月二十五日 「玉藻五句集」加ふるに団扇(うちわ)の風を以てせり七月二十九日 二百二十日会...
高浜虚子 「六百句」
...父は無類のおひとよしの癖に悪辣(あくらつ)ぶりたがる性格を持っていて...
太宰治 「猿面冠者」
...年取った母親の苛辣(からつ)な目が...
徳田秋声 「あらくれ」
...辛辣に且つ鮮かに暴露する...
戸坂潤 「読書法」
...苛辣(からつ)なる課税の筆頭は恋愛でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...細君は上出来の辣韮(らっきょう)のように見受けらるる...
夏目漱石 「カーライル博物館」
...残酷で執拗(しつよう)で悪辣(あくらつ)を極(きわ)めたものでした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...口だけはなか/\に辛辣(しんらつ)です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...加州御重役の悪辣さから...
野村胡堂 「天保の飛行術」
...今は守銭奴計りだ」と吐き出すやうに現代人に対して辛辣な罵言をあびせかけた...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...無名の暴軍や悪辣(あくらつ)な策謀を用いて...
吉川英治 「三国志」
...“街のダニ”ともいうべき悪辣(あくらつ)な男の罠(わな)にかかった始末を...
吉川英治 「新・水滸伝」
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