...――一 無言に終始した益軒の侮蔑は如何に辛辣(しんらつ)を極めてゐたか!二 書生の恥ぢるのを欣(よろこ)んだ同船の客の喝采は如何に俗悪を極めてゐたか!三 益軒の知らぬ新時代の精神は年少の書生の放論の中にも如何に溌剌と鼓動してゐたか!或弁護或新時代の評論家は「蝟集(ゐしふ)する」と云ふ意味に「門前雀羅(じやくら)を張る」の成語を用ひた...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...実生活のごとく辛辣(しんらつ)な...
芥川龍之介 「葱」
...その気なら(一層辛辣に)それを彼らに寄することが出来るから...
伊東静雄 「わがひとに与ふる哀歌」
...蕗の薹は辛辣な皮肉家だけに...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...敗戦後の苛辣な世の中に...
豊島与志雄 「朝やけ」
...そっけない辛辣(しんらつ)なものになっていった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...レオニダスに補うにラブレー(訳者注 十六世紀フランスの物語作者にして辛辣なる皮肉諷刺に秀ず)をもってし...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ある場合には極度に悪辣に見える...
中原中也 「我が生活」
...あの下に AMERICAN UNDERSTOOD と書き添へて置けば良いのでせう」とモード夫人も案外辛辣なことを云ふ...
中谷宇吉郎 「ツーン湖のほとり」
...容易のことでは明りが立たねえ」平次の舌はその手よりも辛辣(しんらつ)です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...いつもに似氣なく辛辣(しんらつ)です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...辛辣な君に触れて貰いたくない政府の機密がひそんでいるということを...
久生十蘭 「魔都」
...今は守銭奴計りだ」と吐き出すやうに現代人に対して辛辣な罵言をあびせかけた...
堀口九萬一 「フランソア・コッペ訪問記」
...悪辣(あくらつ)な山師で...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「本命馬」
...そのような機会をつかんだ甚兵衛の辛辣な笑いに表現された復讐の対象に...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...あの悪辣な婆さんのうしろに控えていた強そうな男に...
山本周五郎 「七日七夜」
...あまりに辛辣(しんらつ)で執拗(しつよう)すぎる...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...居辣(いすく)まなければ危険だった...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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