...――一 無言に終始した益軒の侮蔑は如何に辛辣(しんらつ)を極めてゐたか!二 書生の恥ぢるのを欣(よろこ)んだ同船の客の喝采は如何に俗悪を極めてゐたか!三 益軒の知らぬ新時代の精神は年少の書生の放論の中にも如何に溌剌と鼓動してゐたか!或弁護或新時代の評論家は「蝟集(ゐしふ)する」と云ふ意味に「門前雀羅(じやくら)を張る」の成語を用ひた...
芥川龍之介 「侏儒の言葉」
...辛辣(しんらつ)なる不審訊問(ふしんじんもん)を開始していた...
海野十三 「蠅男」
...そんな胸中ひそかに辛辣の観察を行ふなんて事も...
太宰治 「お伽草紙」
...父は無類のおひとよしの癖に悪辣(あくらつ)ぶりたがる性格を持っていて...
太宰治 「猿面冠者」
...粗野な肉感的な辛辣(しんらつ)さを吹き込んだ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...生来の粗暴さと荒削りの田舎者めいたやや辛辣(しんらつ)な調子とを...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ひどく辛辣なものを含んでるようでもある...
豊島与志雄 「自由人」
...その苛辣な味に心を刺されることが...
豊島与志雄 「反抗」
...火鉢にて辣薤を煮る...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...ずいぶん悪辣(あくらつ)なことをするし...
中里介山 「大菩薩峠」
...あの苛辣冷静な性格に似ずヴァイオリンをよくし時には助手のワトソン博士に一曲を奏でて聴かす余裕があり...
野村胡堂 「探偵小説と音楽」
...絡みあっていた辣薤の茎に踵をとられて...
久生十蘭 「生霊」
...辛辣な君に触れて貰いたくない政府の機密がひそんでいるということを...
久生十蘭 「魔都」
...唐の陳蔵器という学者がいうには「其子辛辣ニシテ椒ノ如シ...
牧野富太郎 「植物記」
...辛辣になるに及ばず...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...その言葉の辛辣なのをアテナイ人から咎められた時にした答を...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...すでに半ばおとなの世界の辛辣(しんらつ)さをもっている...
山本周五郎 「風流太平記」
...ダルメイダはそこで開拓者としての辣腕をふるった...
和辻哲郎 「鎖国」
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