...云わば無辜(むこ)を殺すとでも申そう...
芥川龍之介 「邪宗門」
...そういう事情の下に行われた心理試験はデ・キロスの所謂『無辜のものを罪に陥れる』ことになりはしないでしょうか」「君は斎藤勇のことを云っているのですね...
江戸川乱歩 「心理試験」
...〔マルホール氏『万国進歩の実況』〕シナの聖人は一の不辜(ふこ)を殺して天下を得るもなせずと訓戒を垂れたりしも...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...自分で自分の無辜(むこ)の血を流したからです...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...諸君は一人の無辜(むこ)の者をやっつけるのである...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...憐れな無辜の者たちよ!植民地では...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...「――――」「非道ではないか井上」「――――」「豊家を亡ぼし、無辜の民を殺し、加藤(かとう)、福島(ふくしま)、その他の大小名を取潰した、徳川(とくがわ)家の横暴無道、眼に余ることばかり」「――――」「俺はつくづく徳川家の粟を喰(は)む気は無くなった...
野村胡堂 「江戸の火術」
...あわてて無辜(むこ)を縛った三輪の万七の器量の悪さは言うまでもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...無辜(むこ)の民を虐殺して...
原民喜 「苦しく美しき夏」
...無辜(むこ)の人民は身の進退を貸して他の草紙に供するが如きことあらん...
福沢諭吉 「学者安心論」
...全日本国中無辜(むこ)の小民をしてその無上の歓楽を失わしむるは実に気の毒の至りならずや...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...本来無辜(むこ)の学問に対して無縁の政敵を出現するにいたるべし...
福沢諭吉 「学問の独立」
...盜跖日殺二不辜一...
箭内亙訳註 「國譯史記列傳」
...当の相手の無辜(むこ)の女性の存在を死ぬほど呪詛(のろ)い...
夢野久作 「少女地獄」
...無辜(むこ)の民だけは殺さないようにお計らい下さい...
吉川英治 「三国志」
...無辜(むこ)の民が泣いていよう...
吉川英治 「私本太平記」
...また無辜(むこ)の百姓...
吉川英治 「新書太閤記」
...無辜(むこ)のものに加えてよいか」「ふん……」というように...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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