...その幾人もの無辜(むこ)の人々がもだえながら絶命するのを...
有島武郎 「或る女」
...無辜(むこ)の舞姫に残忍苛刻を加へたり...
石橋忍月 「舞姫」
...有罪者を逸して無辜のものを罪に陥れることがないとは断言出来ないのですからね...
江戸川乱歩 「心理試験」
...「十人の無辜が虐げられようとも...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...白塗りの棍棒を振り廻しながら盛んに無辜(むこ)の歩行者を白眼(にら)みつけたり...
谷譲次 「踊る地平線」
...〔マルホール氏『万国進歩の実況』〕シナの聖人は一の不辜(ふこ)を殺して天下を得るもなせずと訓戒を垂れたりしも...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...自分で自分の無辜(むこ)の血を流したからです...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...この場合にもやはり諸君は無辜の人々をやっつけるのである...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...ことしの秋の大地震にも無辜(むこ)の韓人を殺して見んなぞとの悪念を起さず...
永井荷風 「桑中喜語」
...それで何百万人とかいう無辜(むこ)の人間が殺されるようなことが...
中谷宇吉郎 「茶碗の曲線」
...漫(みだり)に無辜(むこ)の人を恨み怒り云々して其結果却て自身の不利たるを知らず...
福沢諭吉 「女大学評論」
...その実は無辜(むこ)の小児を勧めて醜体に導くものなり...
福沢諭吉 「教育の事」
...無辜の子供等が家内に喧嘩する處へ...
福沢諭吉 「帝室論」
...既に無辜(むこ)の人を殺してなお足れりとせず...
穂積陳重 「法窓夜話」
...(「与三其殺二不辜一...
穂積陳重 「法窓夜話」
...陳宮悔いて全く豕を殺してわれらを饗する拵えだったに曹操急に疑うて無辜(むこ)を殺したと言う...
南方熊楠 「十二支考」
...ドレフュス事件でドレフュス大尉がユダヤ人であるということのために無辜(むこ)の苦しみに置かれていることを知って...
宮本百合子 「キュリー夫人」
...その無辜(むこ)を愍(あわれ)みながらも...
吉川英治 「新書太閤記」
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