...彼の無辜(むこ)なる血は地に流れんとしている...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...氷海の無辜(むこ)の住民たる白熊(しろくま)に対してはソビエト探険隊員は残虐なる暴君として血と生命との搾取者としてスクリーンの上に映写されるのである...
寺田寅彦 「空想日録」
...列強の間に戦争でも起れば忽ち無辜の国土は戦場として利用せられ...
仁科芳雄 「原子力の管理」
...「――――」「非道ではないか井上」「――――」「豊家を亡ぼし、無辜の民を殺し、加藤(かとう)、福島(ふくしま)、その他の大小名を取潰した、徳川(とくがわ)家の横暴無道、眼に余ることばかり」「――――」「俺はつくづく徳川家の粟を喰(は)む気は無くなった...
野村胡堂 「江戸の火術」
...僕はその正義という事を考えていたものですから」「無辜の者がかくの如き刑罰を言渡されはしないか...
浜尾四郎 「正義」
...全日本国中無辜(むこ)の小民をしてその無上の歓楽を失わしむるは実に気の毒の至りならずや...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...敵を愛するの宗旨によりて無辜(むこ)の同類を屠(ほふ)り...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...その実は無辜(むこ)の小児を勧めて醜体に導くものなり...
福沢諭吉 「教育の事」
...陳宮悔いて全く豕を殺してわれらを饗する拵えだったに曹操急に疑うて無辜(むこ)を殺したと言う...
南方熊楠 「十二支考」
...ドレフュス事件でドレフュス大尉がユダヤ人であるということのために無辜(むこ)の苦しみに置かれていることを知って...
宮本百合子 「キュリー夫人」
...そんなものとピエールがドルフェスのときは熱中したという無辜(むこ)のものを支持する心...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...……天下無辜の者の味方だなんぞと...
三好十郎 「斬られの仙太」
...天狗党は天下無辜の者の味方だ...
三好十郎 「天狗外伝 斬られの仙太」
...当の相手の無辜(むこ)の女性の存在を死ぬほど呪詛(のろ)い...
夢野久作 「少女地獄」
...無辜(むこ)の人間に生命(いのち)がけの不正を働らかせながら...
夢野久作 「爆弾太平記」
...無辜(むこ)の往来人を辻斬して...
吉川英治 「剣の四君子」
...無辜(むこ)の民が泣いていよう...
吉川英治 「私本太平記」
...無辜(むこ)の人命を犠牲にするは...
吉川英治 「新書太閤記」
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