...」と辛うじて云つて見ましたが...
石川啄木 「雲は天才である」
...」「ううむ、」と頭(かぶり)を掉(ふ)ったので、すっと立って、背後(うしろ)の肱掛窓(ひじかけまど)を開けると、辛うじて、雨落だけの隙(すき)を残して、厳(いかめ)しい、忍返しのある、しかも真新(まあたらし)い黒板塀が見える...
泉鏡花 「婦系図」
...辛うじて一人前になったが...
犬田卯 「米」
...辛うじて両方のつむじ曲りを調停させたということでございます...
上村松園 「幼き頃の想い出」
...辛うじて転落から免れた...
海野十三 「獏鸚」
...僅かに生き残った者は辛うじて蒙古に逃れ...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...辛うじて経済を立てることが出来るのであるが...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...勝海先生のお蔭で辛うじて危険状態を脱し...
谷崎潤一郎 「瘋癲老人日記」
...比古君に――――辛うじて非国民非人間の泥沼から立ちあがることが出来ました...
種田山頭火 「其中日記」
...辛うじて船を岸につけることが出来た...
田山録弥 「船路」
...初老の痩せた男に辛うじて抱えられた老婆の姿は...
外村繁 「日を愛しむ」
...これと平均額の家禄とで辛うじて一家の生計は営んでいたのである...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...辛うじて文学が……』ラフォルグはコルビエールの作品を愛してゐたが...
中原中也 「トリスタン・コルビエールを紹介す」
...辛うじて会議を通過することが出来たということである(「江藤南白」)...
穂積陳重 「法窓夜話」
...これら諸国の平均生産物はわずかに住民の生命を辛うじて支えるに足るに過ぎぬように思われ...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...辛うじての時評家が多いことについての感想...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...辛うじてその怒りを抑え...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...辛うじて三好党を潰走させることが出来たが...
和辻哲郎 「鎖国」
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