...辛うじて逃げ出しはしたものの...
犬田卯 「沼畔小話集」
...「蝋(ろう)マッチ」をてらして辛うじて板の上へ出たが...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...辛うじて私の弁舌の糸口を摘出することに成功するのである...
太宰治 「乞食学生」
...辛うじて其日の生活を立てて行く女があつた...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...辛うじて見分けがつくほどの人影が...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...數人の探檢家が辛うじて極地に達して...
中谷宇吉郎 「冬ごもり」
...彼は辛うじて青山の通りで...
夏目漱石 「それから」
...大矢少尉は弾倉にあるだけの弾丸をめくら射ちに射って辛うじてその一団を追いはらった...
久生十蘭 「ノア」
...それに遊びなどは殆ど経験もなかつたし――その時計らずも「辛うじて遊び得られさうなだけ」の分量の金を自分が持つてゐることを見出すと急に「嬉しい世界」を発見したやうな気がした...
牧野信一 「公園へ行く道」
...つぎ竿の先で辛うじて梯子の一端を「幸福を宿す木」が私達のために緑の翼を拡げてゐる樅の枝に懸けることが出来ました...
牧野信一 「祝福された星の歌」
...あはれな銀笛の音も辛うじてわたしの口笛に合ふ程度になつた...
牧野信一 「緑の軍港」
...ただ俳句十七字の小天地に今までは辛うじて一山一水一草一木を写し出(い)だししものを...
正岡子規 「俳人蕪村」
...辛うじて紳士階級の交りが出来るだけの所得しかない高等教育を受けた人は...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...が、どこにか、いのちの種の火は、辛うじて、残っているのが、感じられはするのだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...あの汚物の燐光が辛うじて認められます以外には...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...辛うじて答へてゐた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...辛うじて徒歩で逃げて...
吉川英治 「三国志」
...金に苦しみながら辛うじて世に出したものであつた...
若山牧水 「樹木とその葉」
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