...重くて黒くて冷たくて堅い雨ふる秋の夜といふ大きい鍋を頭から被る辛さ切なさを忍ぶことが出来やう...
石川啄木 「葬列」
...遂に真正面から衝突せんとして辛うじて解決を明日に伸ばした...
海野十三 「深夜の市長」
...山独活の二三本でも悦んで辛抱(がまん)する...
薄田泣菫 「独楽園」
......
種田山頭火 「其中日記」
...辛うじて其日の生活を立てて行く女があつた...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...三人はその間を辛(かろ)うじて抜けて...
田山花袋 「蒲団」
...するが辛抱――)指で計ると...
直木三十五 「南国太平記」
...当分このままで辛抱してくれ」「まあ...
中里介山 「大菩薩峠」
...辛いながらも人に接し...
中原中也 「亡弟」
...私の方から時々出掛けて行って老人に慰藉(いしゃ)を与えるなんて事は六(む)ずかしいのですが……」「するとまあただ御出入(おでいり)をさせて頂くという訳になりますな」健三には御出入という言葉を聞くのが辛(つら)かった...
夏目漱石 「道草」
...全体いつ頃にヴァイオリンを買う気なんだい」とさすがの迷亭君も少し辛抱(しんぼう)し切れなくなったと見える...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...「嘘を吐(つ)けッ」「へッ」平次の声は辛辣(しんらつ)に岩松の口を緘(とざ)しました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あれからのさまざまな辛苦がようやくむくいられ初め...
本庄陸男 「石狩川」
...厭味らしく云つてゐたではないか?「まつたく見てゐる方でも可成り辛いからね...
牧野信一 「毒気」
...僕の誇りと辛苦...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「鉄道事故」
...第一ひどく辛いのであります...
村井政善 「蕎麦の味と食い方問題」
...艱難辛苦を徳のために必須のものとするならば...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...なおさら辛い立場であった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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