...この人通りの少い裏通りに轟々(ごうごう)と響いていた...
池谷信三郎 「橋」
...千萬の物音を合せた樣な轟々たる都の響...
石川啄木 「天鵞絨」
...とつぜん轟然(ごうぜん)たる銃声がなりひびき...
海野十三 「恐竜島」
...すぐ窓の下を轟々(ごうごう)と音たてて流れている...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...長谷寺(はせでら)に法鼓(ほうこ)轟(とどろ)く彼岸かな花の寺末寺(まつじ)一念三千寺御胸(おんむね)に春の塵(ちり)とや申すべき三月二十二日阿波野青畝(あわのせいほ)...
高浜虚子 「六百句」
...続けざまに三発の銃声が轟(とどろ)いた...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...ぶっつかる火の風はじける火の粉の闇で金いろの子供の瞳燃える体灼(や)ける咽喉(のど)どっと崩折(くずお)れて腕めりこんで肩おお もうすすめぬ暗いひとりの底こめかみの轟音が急に遠のきああどうしたことどうしてわたしは道ばたのこんなところでおまえからもはなれし...
峠三吉 「原爆詩集」
...とお松はそれに胸を轟かすと共に...
中里介山 「大菩薩峠」
...轟然(ぐわうぜん)――天地も崩るゝやうな物音...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ああこの眞つ暗な恐ろしい景色を貫通する! 深夜の轟轟といふ響の中で...
萩原朔太郎 「宿命」
...瀑布の轟きや絶え間なき水しぶきの中に生い茂る絵のような樹木や常春藤(きづた)もなく...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...轟 いや、こんだけ厄介になっているのに、その上そんな……実際、頭がカーッとして叫び出しそうになる事があるんだ...
三好十郎 「好日」
...轟 そうなんです! あなたがこれまで書いて来た戯曲の前に出せば...
三好十郎 「好日」
...水茶屋(みずぢゃや)券番(けんばん)の馬賊五人組芸者として天下に勇名を轟かしたお艶(えん)...
夢野久作 「近世快人伝」
...うんと威(おど)かしていい……心臓痲痺を起さない程度に……ハハ……」私の言葉が終らないうちに轟刑事は...
夢野久作 「暗黒公使」
...何でも亡き轟氏の魂はあの劇場に残っているに違いないのだから...
夢野久作 「二重心臓」
...轟九蔵と天川呉羽とは事実上の夫婦関係になっている事を...
夢野久作 「二重心臓」
...よく約束を守ったな」轟氏は用意の小切手を生蕃小僧に与える...
夢野久作 「二重心臓」
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