...人の通る道路には――歩道というものはないので――木製のはき物と細い人力車の轍(わだち)とが...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...転轍器(ポイント)の聯動装置ぐらい楽に胡魔化せますよ...
大阪圭吉 「気狂い機関車」
...先年末被害地で行われた例の示談契約の轍をまた踏むことになる...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...車の轍(わだち)に傷めつけられた路は一条微赤(うすあか)い線をつけていた...
田中貢太郎 「殺神記」
...霜がふる白い道・ふけて炊かねばならない煙がさむい・枯野まつすぐにくる犬の尾をふつて・そこらに大根ぶらさげることも我が家らしく・遠い道の轍のあとの凍つてゐる・たま/\来てくれて夕月のある空も(再録)二月四日立春...
種田山頭火 「其中日記」
...恐らく雨時にできたのだらう荷馬車の轍(わだち)の跡が深くいくつも切れこんだまゝ固まつてゐた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...馬車の轍やたくさんの冒険者によって踏みつけられた跡だ...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...その轍(てつ)を踏むにきまっています...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうして轍ががら/\と敷石を軋つたと思つたら直ぐに輓棒がおろされた...
長塚節 「菜の花」
...ああ 俥のはしる轍(わだち)を透してふしぎな ばうばくたる景色を行手にみる...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...背に腹はかえられぬの轍(てつ)を踏んで...
林芙美子 「泣虫小僧」
...真に轍の真下が月の光りにキラ/\と光つてゐる相当の深さを持つらしい小川であつた...
牧野信一 「ダイアナの馬」
...次に第二句の始(はじめ)に「底」といふ字ありて結句に「加茂の河水」と順序を顛倒したるは前の雪の歌と全く同一の覆轍(ふくてつ)に落ちたり...
正岡子規 「墨汁一滴」
...出奔し去った五人の婿を前車の轍(てつ)としたのみではない...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...承久の轍(てつ)を踏んではと...
吉川英治 「私本太平記」
...あわただしい轍(わだち)の啼(な)き軋(きし)みに...
吉川英治 「平の将門」
...牛輦(うしぐるま)の轍(わだち)は...
吉川英治 「源頼朝」
...雨上がりの轍(わだち)のなかに落ち込んで...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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