...しかし或事情の為に軽率にも父母と同居し出した...
芥川竜之介 「歯車」
...軽率に店頭に出して一向に顧みられず...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...私は軽率に断定しようといふのでは無いが...
高浜虚子 「進むべき俳句の道」
...とにかくいま都で名高い髭そうろうの大尽だから間違い無しと軽率にひとり合点(がてん)して有頂天のうちにこの縁談をとりきめ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...浅ましき姦通をしたと軽率にもきめてかかったその夫に復讐しないではおかぬ...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...彼自身軽率にも一種の説明のつかない満足をもって知人たちに訴訟のことを言ったし...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...軽率にし過ぎた結論なのである...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...軽率に姿を現わすものか...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...我国の徳川時代における本草学者達はヅクノキ一名ハボソを間違えて軽率にもそれをオリーブだと思ったので...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...しかし、スウェーデン人もノルウェイ人も、余りに軽率に、開拓した場合土地の真の価値がどうなるであろうかをあらかじめ考慮することなく、森林を開拓する、と非難されている...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...軽率に思召(おぼしめ)すでしょう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そうして縁の結ばれた以上は軽率に捨ててしまうような性格の薫ではないのだから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...軽率にその名前を口にすることを控えた...
室生犀星 「野に臥す者」
...余が軽率にも彼に向かいてエリスとの関係を絶たんといいしを...
森鴎外 「舞姫」
...いかに軽率に、それは作りなされたるよ!彼は、これを作るに当りて、形体は考えたれど心のことは考えざりき...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...自画自賛が案外軽率に信じられ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この場合、もし軽率に、自分の思うところを主張しても、万一結果において、その反対な立場の者が、織田の相続者として擁立されることにでもなれば、当然、その発言者の前途は危険なものにならざるを得ない...
吉川英治 「新書太閤記」
...極度に敬虔なるべき者に対して私は極度に軽率にふるまいました...
和辻哲郎 「ある思想家の手紙」
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