...軽率に一地方の産物などを販売せんと...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...何もきかず軽率に約束したことが後悔せられた...
田中貢太郎 「雀が森の怪異」
...ここでは懺悔の神秘が専断軽率に貶(おと)し卑しめられていると告発した...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...諸君はあえてそれをかく軽率に追いはらおうとするのか...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...軽率にことをきめてはいかんから...
豊島与志雄 「自由人」
...しかし妻は軽率にも頑として主張してやまないので...
トルストイ 米川正夫訳 「クロイツェル・ソナタ」
...浅ましき姦通をしたと軽率にもきめてかかったその夫に復讐しないではおかぬ...
浜尾四郎 「彼が殺したか」
...軽率にも何かある苦痛を与えるようなものである...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...道中で彼は時として若者達の人生を感動でかくも美しく輝かせるあの気違い染みた期待に軽率にも身をゆだねてうっとりとしていた...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...さればその書翰は、入院中の彼女に送るべきものなりしに、重井の軽率にも、妾への書面と取り違(ちが)えたるなりとは、天罰とこそいうべけれ...
福田英子 「妾の半生涯」
...我国の徳川時代における本草学者達はヅクノキ一名ハボソを間違えて軽率にもそれをオリーブだと思ったので...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...しかし、スウェーデン人もノルウェイ人も、余りに軽率に、開拓した場合土地の真の価値がどうなるであろうかをあらかじめ考慮することなく、森林を開拓する、と非難されている...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...ここの人は性癖が強いから軽率にして折角の友達を不快にさせるのも切ないし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...自分だけが船を出してそちらへ行くのは軽率に見られはせぬかと躊躇(ちゅうちょ)している時に八の宮からお使いが来た...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...軽率にその名前を口にすることを控えた...
室生犀星 「野に臥す者」
...重々拙者の軽率に相違ございません」「古人子貢(しこう)の言葉にもある――ココニ美玉アリ...
吉川英治 「三国志」
...この場合、もし軽率に、自分の思うところを主張しても、万一結果において、その反対な立場の者が、織田の相続者として擁立されることにでもなれば、当然、その発言者の前途は危険なものにならざるを得ない...
吉川英治 「新書太閤記」
...京極摂政師実(きょうごくせっしょうもろざね)の孫――大炊御門経宗(おおいみかどつねむね)とか、花山院の左大臣兼雅(かねまさ)とか、京極大夫隆信とか、民部卿範光(みんぶきょうのりみつ)、兵部卿基経(ひょうぶきょうもとつね)などという人々は、日ごろから、法然に帰依している人たちであるしまた政治的にも、「言論の上ならばともかく、ただ新しい宗教を排斥するための強訴(ごうそ)や誹謗(ひぼう)は、これを御政治にとりあげて、軽率に、主権の御発動を仰ぐべきでない」という意見を持って、廟議にのぞんでいた...
吉川英治 「親鸞」
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