...彼等はいずれも大きな岩を軽々と擡(もた)げたり投げたりした...
芥川龍之介 「素戔嗚尊」
...竹男(たけお)さんだけはどこに行ったかどうも見えなんだ」と妹や弟を軽々とかつぎ上げながらいった...
有島武郎 「火事とポチ」
...人の往きなやむ山路を飛ぶやうに身も軽々と辿つてゐたといふことだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...軽々と気まぐれな歩き方をしてゐる...
武田麟太郎 「大凶の籤」
...六尺八寸はあろうと思われる長身巨躯(きょく)が軽々と...
田中英光 「オリンポスの果実」
...逞しいむき出しの腕でその幼児を軽々と引っかかえて引込んで行った...
寺田寅彦 「札幌まで」
...私の魂はこんなに軽々と旅をするのに...
ボードレール 富永太郎訳 「計画」
...身内が軽々と澄んでるのに...
豊島与志雄 「食慾」
...軽々と岩石を跳び越えて行った...
中島敦 「山月記」
...狩屋三郎の身体は軽々と番町の往来に立っておりました...
野村胡堂 「九つの鍵」
...たくましい金五郎のひろい肩のうえに、小柄な永田の身体は、セメント袋のように、軽々と、乗った...
火野葦平 「花と龍」
...そんなことを云ひ合ひながらセキレイのやうに軽々と石を飛んで...
牧野信一 「山を越えて」
...美妙斎が古今の文章を軽々と論じてゐるのより...
水野葉舟 「言文一致」
...それからまた深い息をすると、柔かい空気が、如何にも軽々と、好い心持ちに胸の中へ這入(はい)って行く...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...軽々と戯れては消えていった...
横光利一 「上海」
...気も軽々と見えたもの哉(かな)...
吉川英治 「新書太閤記」
...少年の身体を軽々と持ち上げた...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
...ドリアンは気も軽々とモンマウス公爵夫人の弟のジョフレイと並んで進んだ...
渡辺温 「絵姿」
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