...軽々とすべっていきました...
ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 矢崎源九郎訳 「人魚の姫」
...軽々と刻み足に急いで居た...
石川啄木 「菊池君」
...人の往きなやむ山路を飛ぶやうに身も軽々と辿つてゐたといふことだ...
薄田泣菫 「独楽園」
...軽々と身をもたげて...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...いつかの猫を思わせた)櫓(ろ)をわしづかみにして軽々と持ちあげた...
高見順 「いやな感じ」
...だが ときをりは嘗て見た何かの外套(マントオ)のやうな巨大な闊葉の披針形が月光のやうに私の心臓に射し入つてゐたこともあつたが……恥らひを知らぬ日(にち)々の燥宴のさなかにある日(呪はれた日)私の暴戻な肉体は大森林の暗黒の赤道を航過した!盲ひたる 酔ひしれたる一塊の肉 私の存在は何ごともなかつたものゝやうにやはり得々と 弾力に満ちてさまざまの樹幹の膚の畏怖の中を軽々と摺り抜けて進んでは行つたが...
富永太郎 「原始林の縁辺に於ける探険者」
...樽ちゃんと豆ちゃんとが軽々と大きな男を背負って上がる...
永井隆 「長崎の鐘」
...ばたばた手足を振りまわすのを軽々とかかえ上げ...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...軽々と引きさらわれて...
中里介山 「大菩薩峠」
...父が以前のように、軽々と動く間は、もう少し慎(つつし)んでくれたらと心配した...
夏目漱石 「こころ」
...身も軽々とセエラの方へ渡って来ました...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...金五郎の身体は、軽々と、馬上に引きあげられた...
火野葦平 「花と龍」
...とも角大人の人間をああ軽々と抛(ほう)り出したところから見ると...
牧逸馬 「助五郎余罪」
...「貴女仏様って何だか知って居て?年若い女に有り勝の何の根拠もない様に軽々と死にたいとか尼さんになりたいとか云う通りにお久美さんまで他人の話をする様な口調で「私成るんなら仏様の尼さんだわ」等と云って居るのを聞くと子はフト不愉快な気持になった...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...その夕方はいねちゃんも久しぶりで元気で軽々と歩いたし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...軽々と妾を抱えたまま長椅子の前に突立って...
夢野久作 「ココナットの実」
...軽々とうごくべきではない――としているようだった...
吉川英治 「上杉謙信」
...いかにも軽々と飛込んで行った...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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