...房雄は只さへあゝいふ軟弱な質だから...
田澤稲舟 「五大堂」
...女の軟弱な肉を振り捩斷(ちぎ)るやうに掴み占める時の無殘さが...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...浮世絵は美麗軽快にしてまた頗(すこぶ)る軟弱なる芸術なり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...霧の如く白雨の脚が軟弱な稲を蹴返し蹴返し迫って来た...
長塚節 「太十と其犬」
...この世紀とは軟弱なもんだな」ウージェーヌは手形にサインして紙幣と交換した...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...その軟弱なること杞柳(きりゅう)の如く...
福沢諭吉 「学問の独立」
...仮令(たとい)身体は軟弱なりといえども...
福田英子 「妾の半生涯」
...それを廢さうと思つてもなし得ない軟弱な人間にすることも出來るのである...
エム・ケー・ガンヂー 福永渙訳 「印度の婦人へ」
...繊細軟弱な緑葉と相映じてその観すこぶる淡雅優美である...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...絞紋(しぼりもん)などに多かる竜を骨抜きにしたように軟弱な怖ろしいところは微塵(みじん)もない物は...
南方熊楠 「十二支考」
...最も軟弱な快楽のただ中にあって...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...全体として軟弱な感じを免れることができません...
柳宗悦 「民藝の性質」
...とかく軟弱な病的なものに流れがちです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...そのように軟弱なものであったのか...
横光利一 「欧洲紀行」
...Q川は地質時代の軟弱な地盤を食ひ破つた...
横光利一 「静かなる羅列」
...軟弱な弊風(へいふう)があったことも否めません...
吉川英治 「親鸞」
...その軟弱な意思を叱った...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――Kはその軟弱な意志のゆえに Aesthet として生きている...
和辻哲郎 「転向」
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