...けれども磨(す)り硝子(ガラス)へ緑いろに「食堂」と書いた軒燈(けんとう)は少くとも僕にははかなかつた...
芥川龍之介 「本所両国」
...中央程(なかほど)の郵便局の軒燈のみ淋しく遠く光つてゐる...
石川啄木 「天鵞絨」
...此村に唯(たつた)一つの軒燈がついてるけれども...
石川啄木 「天鵞絨」
...とある軒燈籠の白い明(あかり)と...
泉鏡花 「婦系図」
...各店頭の軒燈もぽつり/\消え殘つて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「ここを左の方へ二町ばかり行くと左側に赤い軒燈の点(つ)いた家がある...
江戸川乱歩 「赤い部屋」
...軒燈(けんとう)の外には何の光も漏れていないのに...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...軒燈(けんとう)もない真暗な...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...耳門(くぐり)にした本門(ほんもん)の簷口(のきぐち)に小さな軒燈(けんとう)が点(とも)り...
田中貢太郎 「水魔」
...人家の軒下や路地口(ろじぐち)には話しながら涼んでいる人の浴衣(ゆかた)が薄暗い軒燈(けんとう)の光に際立(きわだ)って白く見えながら...
永井荷風 「すみだ川」
...すご/\と軒燈の下をくぐつて行つた娘の後ろ姿は丁度...
中村地平 「悪夢」
...その軒燈の一つの前にとまった...
夏目漱石 「三四郎」
...軒燈の硝子(ガラス)に守宮(やもり)の影が斜めに映った...
夏目漱石 「それから」
...おしょさんの家(うち)の軒燈(けんとう)には山崎(やまざき)としてあるが...
長谷川時雨 「神田附木店」
...軒燈もついてゐないばかりか...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...爺さんがためには虎丸撞球場のこの明い軒燈は脱いでおいたいつものお面をかぶる合図ともなっているのだ...
矢田津世子 「神楽坂」
...岸の家々の軒燈籠が水にちらちら写っている...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...眠たげな赤い軒燈の下に...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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