...やぶ蚊がすさまじく鳴きたてて軒先に蚊柱を立てているころだった...
有島武郎 「或る女」
...畑の中には一軒二軒と圧しつぶされたやうな低い古い茅葺の農家が...
石川啄木 「道」
...うまく三軒の家に完全な卵を売りました...
海野十三 「新学期行進曲」
...いいじゃありませんか」「まだ一軒まわる処がある...
田中貢太郎 「春心」
...宵闇に浮び出てる軒燈の灯が...
豊島与志雄 「童貞」
...次(つぎ)の朝(あさ)勘次(かんじ)は軒端(のきばた)へ横(よこ)に竹(たけ)を渡(わた)して...
長塚節 「土」
...翳した二つの蝙蝠傘が軒の下から現れて忽ち他の軒へ隠れて畢つた...
長塚節 「隣室の客」
...日本橋の問屋筋を一軒残らず歩きましたよ」「それは御苦労だった」「あっしはお上の御用を勤める人間とは見えないでしょう」「そうともそうとも...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ちよいとした横町を入つた三軒目...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...暗いのに軒灯(けんとう)のない家が並んでいるので...
平林初之輔 「夏の夜の冒険」
...」「ありますよ、二軒や三軒は...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...その一軒の草屋のほかには谿のどこからも青い烟(けむり)の立つところはなかった...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「漁師」
...『嬉遊笑覧』に『遠碧軒随筆』を引いて...
南方熊楠 「十二支考」
...独り蘭軒は趨(おもむ)くことを要せなかつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...十二月二十三日には蘭軒が医術申合会頭たる故を以て賞を受けた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...仁藤昂軒は一杯の渋茶も啜(すす)れないのである...
山本周五郎 「ひとごろし」
...不破(ふわ)の長亭軒(ちょうていけん)のお城に身をよせております」「そうか...
吉川英治 「新書太閤記」
...宍戸(ししど)梅軒は眼をあいている間の怨念を離れて大きな鼾(いびき)をかいている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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