...茶屋天然自笑軒(てんねんじせうけん)...
芥川龍之介 「続野人生計事」
...鳩巣の子の勿軒夫妻の墓也...
大町桂月 「豐島ヶ岡」
...町内の若い者が軒なみに紅白の花をうち...
中勘助 「銀の匙」
...この一軒の宿屋のうちの冬籠(ふゆごも)りが...
中里介山 「大菩薩峠」
...寺(てら)らしい門(もん)を高(たか)く構(かま)へたのが二三軒目(げんめ)に着(つ)いた...
夏目漱石 「門」
...その晩真砂町(まさごちょう)の富士見軒で...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...反物を畳む、がっしりした小机とか、定木(じょうぎ)とか、模様ものの下絵を描いた、西の内紙で張って、絹さなだ紐をつけた、お召物たとう紙などが残っていたり、将軍さま御用の残り裂れで、人形の帯や巾着(きんちゃく)が出来ていたが――もっとも、明治十二年の大火に蔵だけ残して丸焼けになって、本所の回向院(えこういん)境内まで、両国橋を渡って逃げたということであるから、住居の具合は変りもしたであろうが、とにかく、五軒間口の塀は、杉の洗い出しであったし、門は檜の節無しを拭き込んで、くぐり戸になっていたし、玄関前までは御影石(みかげいし)が敷きつめてあって、いつも水あとの青々して、庭は茶庭風で、石の井筒も古びていた...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...一枚はこれを版に起して百軒に配布すべし』と書いてあるのを常とする...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...行きあたりばつたりの一軒の家に近づいて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...二軒長屋からは物音一つない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...孤軒老師をもたずねて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...それゆゑ蘭軒の妻は小母婿(をばむこ)の子ではある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...除夜には蘭軒は家に帰つてゐたであらう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...蘭軒は例に依つて詩を遺してゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...そして柏軒に詞(ことば)を掛けた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...高い軒(のき)から...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...娼家(しょうか)らしい構えが幾軒も見える...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ボッと、そこに燈(ひ)が見えた――家の内にも明りが映(さ)しているが武蔵の眼に見えたのは、その家の軒先に、誰か、紙燭(ししょく)を持って立ってでもいるらしい燈(ひ)であった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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