...しかし軈(やが)てそれさえすこしも気にならなくなった...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...軈て見つかったものと見えて...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...……ふうむ……」大月は暫くジッと考えを追う様にして眼をつむっていたが、軈て、「ま、それはそれとして、兎に角この林檎の皮だ...
大阪圭吉 「花束の虫」
...軈てこの線香の燃え切る間に茲の實景を歌に咏めと命ぜられた...
長塚節 「竹の里人〔三〕」
...軈て初雪の降るしらせだと云つてをります...
野口雨情 「十五夜お月さん」
...軈(やが)て歸つて來ると平次の耳に口を寄せて囁くのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...日曜でせう? 大久保へ一緒にゆかない? ひとりで行くのつまらないわ‥‥」軈て...
林芙美子 「愛する人達」
...ぎこちない沈黙が暫く続いたが、軈(やが)て、富岡は重いシュバリヱの本をかゝへて、黙つて椅子を離れて食堂を出て行つた...
林芙美子 「浮雲」
...軈て続々直ちに救助に赴く旨航行中の各船から返電があったが...
牧逸馬 「運命のSOS」
...軈て果してセント・ポウル島には着いたものの...
牧逸馬 「沈黙の水平線」
...それまで酒肴(しゅこう)のおもてなしを仕(つかまつ)れ」軈(やが)て盃盤が運ばれて三人は杯(さかずき)を挙げます...
三上於兎吉 「艶容万年若衆」
...其の一方の感ずることは軈(やが)て又(また)他方(たほう)の等(ひと)しく感ずる處であるが...
三島霜川 「虚弱」
...軈(やが)て泣き出すときまで...
室生犀星 「童子」
...軈(やが)ての快哉(かいさい)を――その八絃の夢が断(き)れて...
吉川英治 「夏虫行燈」
...軈(やが)て、『どうです、あなたはどう思いますか』その男は、覗込(のぞきこ)むように、私の顔を見上げた...
蘭郁二郎 「腐った蜉蝣」
...軈(やが)て、岩ヶ根の出(で)ッ鼻(ぱな)が、行く手を遮って、黒々と、闇に浮出して来た...
蘭郁二郎 「鉄路」
...軈(やが)て思いきったように話し出した...
蘭郁二郎 「脳波操縦士」
...軈(やが)て女史は入ってこられた...
若杉鳥子 「職業の苦痛」
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