...新公は咄嗟(とつさ)に身を躱(かは)さうとした...
芥川龍之介 「お富の貞操」
...とある窓龕(さうがん)に躱(かく)れたり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...扉(とびら)のなりに身(み)を躱(かは)して...
泉鏡太郎 「畫の裡」
...躱(かわ)す顔の耳許(みみもと)へかじりつくばかりの甘え方...
泉鏡花 「婦系図」
...早くも人中に躱(かく)れて彼の目を避けた...
魯迅 井上紅梅訳 「風波」
...最初の中は此方(こつち)から身を躱(かく)して...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...身を躱して了えばわかりゃしない...
田山花袋 「トコヨゴヨミ」
...山内へ振向いた一人が、その掠めた閃きに、本能的に、身を躱して、一足退ると、自分の横に、立っている一人が、頭から、赤黒い血を、顔一面に――何うして、そんなに、流れたかとおもうくらいに、血にそまりつつ、よろめき、よろつき、両手で、頭を押えて――眼だけを白く剥き出しつつ、だが、眼瞼に、血をためて、頭を先に、胸を先に、よろめいて、歩き出すと、二三歩で、顔を歪めて、草の上へ倒れるのを見た...
直木三十五 「南国太平記」
...また逢いましょうね」お勢は身を躱(かわ)すと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...(危うく躱(かわ)して雨戸の外へ退く)苫屋 よいしょッこら...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...金五郎が斬り込むのも躱し...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...躱(かわ)したと見せて...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...いつもうまく躰(たい)を躱(かわ)されておあずけばかりだ...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...その足先を躱(かわ)していた...
吉川英治 「新書太閤記」
...秀吉の鋭鋒を躱(かわ)して...
吉川英治 「新書太閤記」
...肩を躱(かわ)しながら...
吉川英治 「宮本武蔵」
...前下がりに躱(かわ)った...
吉川英治 「宮本武蔵」
...いきなり身を躱(かわ)して逃げ出そうとした時だった...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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