...しかし軍事界は戦闘に於ける精神的躱避(たひ)が大きいため単独射撃は一斉射撃に及ばぬものとしていた...
石原莞爾 「戦争史大観」
...彼は少し離れた簷下(のきした)に身を躱(かく)してようやく落ち著きを得たが...
魯迅 井上紅梅訳 「白光」
...体(たい)を躱(かわ)してすうツと二三尺向うへ逃げた...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...夜の雪空は、暗い低さで、積った雪あかりに、やっと、道は見えていたが、急な曲り角になると、田圃の中へ、飛び込みそうになっては、危く身を躱して、走らなくてはならなかった...
直木三十五 「南国太平記」
...突きを躱した時「庄吉っ...
直木三十五 「南国太平記」
...また逢いましょうね」お勢は身を躱(かわ)すと...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...(危うく躱(かわ)して雨戸の外へ退く)苫屋 よいしょッこら...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...金五郎が躱(かわ)したので...
火野葦平 「花と龍」
...ひらりと躱(かわ)すと...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...躱された敵は、退(す)さって、じいっと、剣をあげて、次の構えに移ったと見えて、青ざめた星の光が、刀身にちらちらときらめき、遠い常夜灯のあかりに、餌食(えじき)を狙(ねら)う動物のように、少しばかり背かがみになった姿が、黒く、物凄く看取された...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...日中は暑ければ地下に躱(かく)れ夜出て食を覓(もと)め...
南方熊楠 「十二支考」
...扉の背後に躱(かく)れ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...危うく躱したが、切尖(きっさき)で袖を裂かれた...
山本周五郎 「竹柏記」
...しかし原田さんはみんなうまく躱(かわ)しましたよ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その足先を躱(かわ)していた...
吉川英治 「新書太閤記」
...秀吉の鋭鋒を躱(かわ)して...
吉川英治 「新書太閤記」
...軽く面をそむけて躱(かわ)し...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...前下がりに躱(かわ)った...
吉川英治 「宮本武蔵」
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