...身軽にふなばたに立って...
海野十三 「火薬船」
...原つぱには、青葉が房やかに萠えてゐるなかで、仔牛や仔馬がさながら歓喜そのものの精ででもあるかのやうに、身軽に跳舞し、また踴躍(ゆうやく)する...
薄田泣菫 「独楽園」
...その自転車へも荷物台へ身軽にまたがって山路を運んで貰うことを心得ている...
高野六郎 「小島の春」
...それで、その間は何も彼も忘れていたいからと、音やんの女房に留守を頼み、身軽になって、末の三つになる女の児だけを子守に背負わせて連れて来たが、ほんとうに、四人がそう云う風に一つ屋根の下に集って、時間の制限もなく、呑気(のんき)に語り暮すと云うことは、何年ぶりになるであろう...
谷崎潤一郎 「細雪」
...身軽になってから出直して来るように言っていたが...
徳田秋声 「仮装人物」
...女は朗かな朝の空気の中を身軽に街のどこかへ消えて了った...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...身軽に旅に出て今日まで来たのはいいが...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうして人知れず恐ろしい罪を犯して身軽になつた...
長塚節 「隣室の客」
...平次は身軽に飛降りたことは言うまでもありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お滝の部屋の窓から身軽に飛出し...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...伊庭は、ゆき子の告白を聞いて、いつそ、そのやうな覚悟が出来てゐるのならば、金も出してやるが、身軽になつたら、教団へ来て仕事を手伝つてくれないかと云つた...
林芙美子 「浮雲」
...身軽に逃げ出すことができる...
葉山嘉樹 「山谿に生くる人々」
...燕の如く身軽に立ちはたらいた...
牧野信一 「スプリングコート」
...美しい風采(ふうさい)の若い高官が身軽に来てくれたことは貴女たちをさえ感激させたのであろう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...父は小家に入って「身軽になったようだ」と云った...
森鴎外 「細木香以」
...――いっそ寺へお預けなされたらおまえさまもお身軽になれましょうが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...身軽にはなれません」「じゃあ今夜は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...犬に追われながら、身軽に、半ば畝(うね)を離れて、走れるだけ走るのである...
ルナアル Jules Renard 岸田国士訳 「ぶどう畑のぶどう作り」
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