...広次は粟の籾(もみ)を干した筵(むしろ)を身軽に一枚飛び越えたと思ふと...
芥川龍之介 「一塊の土」
...水兵服で身軽に装った少年たちは葉子の周囲に花輪のように集まった...
有島武郎 「或る女」
...身軽に前後して樹の蔭にかくれたが...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...けれども私も身軽になつてかへつて来ましたからこれからは少し懸命に働きたいと思つてゐます...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一六年一月号)」
...痣蟹は巨大な体躯(たいく)に似合わず身軽に...
海野十三 「恐怖の口笛」
...身軽に立ちなおったのを見ると...
薄田泣菫 「艸木虫魚」
...身軽になれるかも知れぬとひそかに期待していたのだけれども...
太宰治 「パンドラの匣」
...それで、その間は何も彼も忘れていたいからと、音やんの女房に留守を頼み、身軽になって、末の三つになる女の児だけを子守に背負わせて連れて来たが、ほんとうに、四人がそう云う風に一つ屋根の下に集って、時間の制限もなく、呑気(のんき)に語り暮すと云うことは、何年ぶりになるであろう...
谷崎潤一郎 「細雪」
...身軽に外へ飛び出してしまいました...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたくしのように身軽には歩けません」「歩きます――このままでもかまいません...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうして人知れず恐ろしい罪を犯して身軽になつた...
長塚節 「隣室の客」
...屋上へ行って見ましょう」幸子は懐中電灯を照らしながら身軽に階段を踏んで...
野村胡堂 「九つの鍵」
...身軽に逃げのびて...
原民喜 「火の踵」
...自分のいい年も忘れて非常に身軽に踵をトントン踏み鳴らしながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...――いっそ寺へお預けなされたらおまえさまもお身軽になれましょうが...
山本周五郎 「日本婦道記」
...陳武も身軽にいでたち...
吉川英治 「三国志」
...身軽に跳び下りようとすると...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...隅の釣戸棚(つりとだな)へ目をつけてスルリとその中へ身軽に跳(は)ね上がった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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