...「まるで子供のようだ、わ」吉弥ははにかんで立ち上り、身構えをした...
岩野泡鳴 「耽溺」
...今にも発射しようと身構えているからである...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...そして見えない敵に身構えるように壁によりそって...
大阪圭吉 「寒の夜晴れ」
...お手の物の爆裂弾が吐き出されようとも怯(びく)ともしないやうな身構へをして言つた...
薄田泣菫 「茶話」
...やがて立留(たちとどま)って室内(しつない)の人々(ひとびと)を(みまわ)して昂然(こうぜん)として今(いま)にも何(なに)か重大(じゅうだい)なことを云(い)わんとするような身構(みがま)えをする...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...たちまちまた身構えてウェンデルへ躍り蒐(かか)った...
橘外男 「令嬢エミーラの日記」
...壁際に身を引きずると共に、仕掛物ででもあるように、さきに投げ出した大小も、同じようについて行ったのみならず、その頭の下に敷いていたらしい黒い頭巾(ずきん)と、藍(あい)の合羽様のものをも、共に引きずって、そうして壁際にピタリと身を置いたかと思うと、今度は横向きに頬杖をして、以前の身構えで、長くすんなりと身を横たえたままで、こちらを向いているのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...――彼は身に降りかかるものに対して身構えるように...
原民喜 「冬日記」
...逃げてゆく身構えをした...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...新しい銃を受けとって身構える...
久生十蘭 「キャラコさん」
...打つ時の身構えは...
牧野信一 「バラルダ物語」
...常にその身構えで姉との間に立っていた...
「おもかげ」
...全身で身構えているような眼つきであった...
山本周五郎 「さぶ」
...青眼につけた剣にも、身構え、呼吸にも、どうかするとすてばちとも思えるほど無関心な、放擲(ほうてき)したような態度がうかがわれた...
山本周五郎 「新潮記」
...物蔭から「フッ」というと間一髪の同時に身構えるという...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...相手が用人棒だろうが何だろうが、身構えたら最後、金城鉄壁、動く事でない...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...咳嗽(せき)が出そうな身構えをしたが...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...器具のとりどり様々の恰好や身構え……床の上から机の端...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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