...そして同時に野獣の敏感さをもって身構えしながら後ろを振り向いた...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...今にも発射しようと身構えているからである...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...なにか身構えるような恰好で...
大阪圭吉 「白妖」
...すぐ入つて行かうと身構えしてゐても...
田山花袋 「道綱の母」
...それにつづく四人は、輦台の手すりにつかまったり、立ったりして、刀が届く距離になったら、一討ちにしてくれようと、身構えていた...
直木三十五 「南国太平記」
...こう物々しく前へ出て身構えをし直さなくともよかりそうなものだと思われないこともない...
中里介山 「大菩薩峠」
...壁際に身を引きずると共に、仕掛物ででもあるように、さきに投げ出した大小も、同じようについて行ったのみならず、その頭の下に敷いていたらしい黒い頭巾(ずきん)と、藍(あい)の合羽様のものをも、共に引きずって、そうして壁際にピタリと身を置いたかと思うと、今度は横向きに頬杖をして、以前の身構えで、長くすんなりと身を横たえたままで、こちらを向いているのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...鼠(ねずみ)を狙う猫のように身構えました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...専助が算盤(そろばん)を取って身構えるのと一緒でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...東作は行灯を小楯に屹(きっ)と身構えます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...曲者は氣を取直して、改めて頭を搜り出し、狙(ねら)ひを定めて、身構へました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...屹つと空に身構へる...
牧野信一 「鵞鳥の家」
...私が瞥見する彼の姿は真に近寄り難い青光りの中に途方もない殺気を含んで蜂のやうに身構えてゐた...
牧野信一 「病状」
...一同スワと身構えれば...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...背後(うしろ)で踏み止まって身構えた...
夢野久作 「斬られたさに」
...うしろへ身構えを退(ひ)いてゆく...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...いかにも厳しい身構えで...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...逃がすなッ!」「よし!」手元にあった藁縄を掴んで、きっと身構えた...
蘭郁二郎 「睡魔」
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