...霊から引放した肉だけにお前の身売りをすると...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...身売りの時でも、耳たぶがないばかりに、あのような田舎町の貧しい料亭に来なければならなかったこと...
梅崎春生 「桜島」
...早くもそこへ身売りして行つた芸人に芸人魂のあるのはゐないと放言したことがある...
武田麟太郎 「落語家たち」
...母が身売りをした新町九軒の粉川と云う家も...
谷崎潤一郎 「吉野葛」
...貴君としても他へ身売りをするような調子になっても困る...
中里介山 「生前身後の事」
...よしんば身売りをお薦め申したところで...
中里介山 「大菩薩峠」
...十七になる娘に身売りをさせたのでござります...
中里介山 「大菩薩峠」
...身売りがいやだから死ぬというのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...身売りまでした妹の敵(かたき)を討ちたい心持で一ぱいだったんです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...明日は玉の井に身売りでもしようかと思う...
林芙美子 「新版 放浪記」
...ついに私が身売りをして...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...姉なる人が身売りの当時...
樋口一葉 「たけくらべ」
...買戻条件付での身売りであり...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...いやほかの人々は、あるいはその国の習慣により、あるいは両親の教育により、あるいはまた(例えば暴風みたいな)偶然によって、判断も選択もなく、いやしばしば分別も生れ出ない年頃から、しかじかの教説に、あるいはストア派にあるいはエピクロス派に、さらってゆかれ、それに身売りし、隷従し、へばりついて、まるで命の綱にでもしがみついているみたいになっているのに(c)――彼らはさながら暴風に吹き寄せられて岩角にしがみつくがごとく、手あたりしだいの学説にしがみつく(キケロ)のに――(b)なぜこれらの人々には、その自由を維持することが、物事を何等の服従なしに考察することが、同様にゆるされないのか...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...おひさの身売りなどはしない...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...死んでも身売りなんかしないと云い張り...
山本周五郎 「さぶ」
...娘を身売りすることもないからね」「道理で...
吉川英治 「雲霧閻魔帳」
...脱藩して吉良殿の付人に、身売りなどとは、思いよらぬ沙汰だ」「では、どうあっても、嫌か」「とっとと、この米沢から退去すればよし、いつまでも、うろついていると、命はないぞ」「待てっ...
吉川英治 「無宿人国記」
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