...そう思うと葉子はわが身でわが身を焼くような未練と嫉妬(しっと)のために前後も忘れてしまった...
有島武郎 「或る女」
...耳に響くはただ身を焼く熱に湧く血の音と...
寺田寅彦 「枯菊の影」
...樽床几(たるしょうぎ)を宙に浮かせて――お聞きに入れます「当世よくばり武士」チョボクレ始まりさよ……そもそもこのたび京都の騒動聞いてもくんねえ長州征伐咽喉元(のどもと)過ぎれば熱さを忘れたたわけの青公家(あおくげ)歌舞伎芝居のとったりめかして攘夷攘夷とお先まっくらおのが身を焼く火攻めの辛苦もとんぼの鉢巻...
中里介山 「大菩薩峠」
...向後(こうご)今の数十倍に烈(はげ)しく身を焼くならどうだろうと僕は考えた...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...唯(ただ)身を焼く懊悩に委ね切って...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...――其方(そち)共は自分の身を焼く恐ろしい火の揚るのを知らずに...
野村胡堂 「礫心中」
...全身を焼くにまかせた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...身を焼くやうに痛い...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...隣家の火災で10395身を焼くと云うことが分からぬのか...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...山の太陽にその身を焼く...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...身を焼くほど激しく...
山本周五郎 「竹柏記」
...兄なるは身を焼く※(ねつ)に父を呼び...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...かえって彼ら自身を焼くものでしかないことに思い当った...
吉川英治 「三国志」
...懐(ふところ)を離れて始めて行く父に非ざれば火の身を焼く事を知らず母に非ざれば刀(はもの)の指を堕(おと)すを知らず三歳...
吉川英治 「宮本武蔵」
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