...辰子は他人の身の上のように彼の求婚した時のことを話した...
芥川龍之介 「春」
...私の身の上にも多少の変化がおこった...
伊波普猷 「私の子供時分」
...其俺の身の上咄(ばな)しが聞きたいと...
内田魯庵 「犬物語」
...またそれだけ自分の身の上に大危険があるわけですが...
海野十三 「太平洋雷撃戦隊」
...まったくの貧乏な身の上というのではありません...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...一家一門おそらくは死に絶えてしまったのであろう孤独な身の上……と...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...」おたかは其処で身の上話を初めた...
豊島与志雄 「球突場の一隅」
...今また二人の幼子を孤児として浮き世に残す身の上になったから...
永井隆 「この子を残して」
...それを見て、黒い姿は、何か神妙な気持にうたれたと見え、「どうです、この辺で一休みして参ろうではござらぬか――あなた方は何か御由緒(ごゆいしょ)もありそうな人たち、お身の上を、ゆっくり承ってみたいものだ」と、その辺の然(しか)るべき路傍に立ちよってみると、「はい、まだ夜明けには間もございますから、ではひとつ、この辺で一休みさせていただいて、ゆっくりあれへ参ることに致しましょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...……廈門(アモイ)の居酒屋で問わず語らずの金三郎の身の上話...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...悲愴(ひそう)な雪之丞の身の上ばなしに...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ところがおときも小遣にも不自由する身の上なので...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...そして源氏の自身の今日の身の上と逆境にいたころとが思い比べられもした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...旦那さまのお身の上を思っては涙を流して居ります...
矢田津世子 「女心拾遺」
...紅矢……兄様のお怪我も……濃紅姉様の身の上も……何だか……夢のような気がしていたので御座います...
夢野久作 「白髪小僧」
...堀部老人から十郎左の身の上話を聞いたことも手伝っていた...
吉川英治 「べんがら炬燵」
...九度山へ引っ立てられて行った夢想権之助の身の上であるが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...ゲエテがイタリー旅行によって得たような変化はデュウゼの身の上にも起こった...
和辻哲郎 「エレオノラ・デュウゼ」
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