...或声 誰も情事には躓き易い...
芥川龍之介 「闇中問答」
...空想の善や美しき意圖が幾度かその實行に於いて躓きながら...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...兄夏朝早く水くむと、甕を抱きて走りしが、またかへり來て、躓きぬ、甕はわれぬと歎くにぞ、碎くるもよし、陶(すゑ)ものの甕には惜しき涙ぞと、いへば、つぶらに眼をひらき、かた笑みせしは誰(た)が子ぞや...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...ふとしもものに躓きて...
薄田泣菫 「泣菫詩抄」
...幾度も石に躓き餘りに夜は大きく...
千家元麿 「自分は見た」
...五人女にも、於七が吉三のとこへ夜決心してしのんで行つて、鈴に蹴躓き、からからと大音響、傍に寝てゐる小僧が眼をさまして、あれ、おぢやうさんは、よいことを、と叫ばれ、ひたと両手合せて小僧にたのみいる、ところがあつたと覚えてゐるが、あの思はざる鈴の音には読むものすべて、はつと魂消したにちがひない...
太宰治 「音について」
...僕の肋骨や足に躓きながら...
立原道造 「白紙」
...躓き易くなつて老を感じる...
種田山頭火 「其中日記」
...暗闇の椅子に躓きながら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「マリ・デル」
...」ニキーチンは何やらぶつぶつ独り言をいっては椅子に躓きながら...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「マリ・デル」
...之に躓き仰むきに地に倒るれば...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...躓き躓き歩いた...
豊島与志雄 「失われた半身」
...第六の躓きである...
野村胡堂 「楽聖物語」
...躓きかげんの軽重に就いて研究してゐる動物だと伊庭は説明した...
林芙美子 「浮雲」
...そもそも躓きのもとでした...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...が、可笑しなことには、それにも拘らず、又二三歩すると、彼は躓き、そして何かの上を跳びはねるのでした...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「巴里の手紙」
...まつたくその馬がゴールの眼近かにでもなつて躓きでもしたのかと思つたのに!「そいつは...
牧野信一 「競馬の日」
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三好達治 「間花集」
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