...躓(つまづ)き倒(たふ)れたと云(い)へば...
泉鏡太郎 「怪力」
...すると運わるく石塊に躓(つまず)いた...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...所收――「富嶽百景」「女生徒」「滿願」「駈込み訴へ」「女の決鬪」「走れメロス」「彼は昔の彼ならず」「ロマネスク」明治四十二年の初夏に、本州の北端で生れた氣の弱い男の子が、それでも、人の手本にならなければならぬと氣取つて、さうして躓いて、躓いて、けれども、生きて在る限りは、一すぢの誇を持つてゐようと馬鹿な苦勞をしてゐるその事を、いちいち書きしたためて殘して置かうといふのが、私の仕事の全部のテエマであります...
太宰治 「『富嶽百景』序」
...逃げるひょうしに躓(つまず)いて倒れてしまった...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...――私は躓いた、傷いた、そして、しかも、新らしい歩みを踏み出したのである(その歩みが溌剌颯爽たるものでないことはあたりまへだ)...
種田山頭火 「其中日記」
...幾度か差別に就いて躓(つまづ)かなければならない...
田山録弥 「心理の縦断と横断」
...歩むも躓くも真理ならぬはない...
戸坂潤 「再び科学的精神について」
...鞭打たれつつ躓きつつ引かれて行く基督の姿は餘に痛ましく...
「修道院の秋」
...石に躓(つまづ)いたりしながら...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...やよ哥薩克よ、居眠るな、山路はいとも危険なり!……さはいへなべて哥薩克の、駒は道をば心得て、足を躓づき、踏み外す、憂へは更になかりけり...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...そういうところへひょっこり現われた一つの躓(つまず)きが...
本庄陸男 「石狩川」
...駒ぞ躓(つまず)く今恋ふらしも」人に恋(ほれ)らるる人の乗る馬は躓く由(『俊頼口伝集』上)...
南方熊楠 「十二支考」
...たまたま躓(つまず)いてしょっていた袋をしたたかに濡らした...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この言葉に躓(つまず)いては相すまぬ...
柳宗悦 「改めて民藝について」
...一度傷つくか躓(つまず)くかすると...
柳田国男 「木綿以前の事」
...或いは何とも知れぬ原因で躓(つまず)いたり落ちたりして傷(きずつ)きまたは死んだ...
柳田国男 「山の人生」
...石にでも躓(つまず)いたとみえ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...最後の一寸した躓(つまず)きのために...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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