...日本の楽器は単純だなどと云おうものなら躍起になって得意のお談義が始まるのである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...そして母親や女主人の方で二人の間を堰(せ)くようにすればするほど三野村の方で一層躍起になってお園が花にいっている出先までも附き纏(まと)うて商売の邪魔になるようなことをしたりするのであった...
近松秋江 「霜凍る宵」
...拙者の勝ちでござる」仏頂寺が躍起になって怒るのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...食糧増産に躍起になって...
中谷宇吉郎 「農業物理学夜話」
...当局の方では躍起になって...
中谷宇吉郎 「琵琶湖の水」
...僕の跡を躍起になって追い廻す――捕まるはずがあるものか...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...躍起になって無意味な目的に駆りたてて行く例もすくない...
久生十蘭 「新西遊記」
...躍起になって扉口の椅子を奪いあった方たちさえありましたわ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...その真意を明らかにしようと躍起になって考えてみたが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...バアクレイ・カアル造船所も躍起になって...
牧逸馬 「沈黙の水平線」
...女将セレスティンは躍起になって...
牧逸馬 「ロウモン街の自殺ホテル」
...学生がかわいそうだと躍起になって反対したので...
柳田国男 「故郷七十年」
...とんでもない」女主人は躍起になって否定した...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...元よりこのことは、煙火師同士の争いとして、表面は藩の知ったことでないような顔をしていたが、裏面では敵方にも、本多侯がうしろ楯(だて)になっていたし、松代藩のほうでもまた、躍起になって、戸狩の者をべんたつしていた...
吉川英治 「銀河まつり」
...もう躍起になって...
吉川英治 「三国志」
...だから番附に勘亭で刷ってある「御世泰平鼓腹御免」なんていう文字をみると、躍起になって、癪(しゃく)にさわってこんな番附が当てになるもんけえ――と言いたくなる...
吉川英治 「醤油仏」
...「――仙洞(せんとう)のご帰還までに」と、最初のうちは、躍起になって、焦心(あせ)ったのである...
吉川英治 「親鸞」
...なんとしてでも、吉野太夫は、こちらの座敷に植えてながめねば納まらぬぞ」紹由老人は、躍起になって、唇の乾きを舐(な)め始めた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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