...いくら躍起になっても一度失くなったものは再びけっして帰ってはきませんでした...
伊藤野枝 「「別居」について」
...見ている隊員が躍起になって「水をうめろ水を」と心中に絶叫する...
谷譲次 「踊る地平線」
...カタリナが躍起になって反対しているらしいのであった...
谷崎潤一郎 「細雪」
...日本の楽器は単純だなどと云おうものなら躍起になって得意のお談義が始まるのである...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...彼女は躍起になって呼んだ...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...なんて珍しいはなしでしょう! (躍起になって)よくもまあ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...そして母親や女主人の方で二人の間を堰(せ)くようにすればするほど三野村の方で一層躍起になってお園が花にいっている出先までも附き纏(まと)うて商売の邪魔になるようなことをしたりするのであった...
近松秋江 「霜凍る宵」
...躍起になって自分のことを思い出させようとかかってきて...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...金五郎は、どうしても、「ノロ甚」にかなわないので、躍起になって、連日、挑戦した...
火野葦平 「花と龍」
...躍起になって扉口の椅子を奪いあった方たちさえありましたわ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...悪党どもが追跡者を躍起になって探すかもしれないが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...とんでもない」女主人は躍起になって否定した...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...元よりこのことは、煙火師同士の争いとして、表面は藩の知ったことでないような顔をしていたが、裏面では敵方にも、本多侯がうしろ楯(だて)になっていたし、松代藩のほうでもまた、躍起になって、戸狩の者をべんたつしていた...
吉川英治 「銀河まつり」
...もう躍起になって...
吉川英治 「三国志」
...躍起になって考えた...
吉川英治 「三国志」
...だから番附に勘亭で刷ってある「御世泰平鼓腹御免」なんていう文字をみると、躍起になって、癪(しゃく)にさわってこんな番附が当てになるもんけえ――と言いたくなる...
吉川英治 「醤油仏」
...なんとしてでも、吉野太夫は、こちらの座敷に植えてながめねば納まらぬぞ」紹由老人は、躍起になって、唇の乾きを舐(な)め始めた...
吉川英治 「宮本武蔵」
...影なき密猟者の捜索に躍起になっているが...
ルナール Jules Renard 岸田国士訳 「博物誌」
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